米空母エイブラハム・リンカーン(CVN-72)が8日午後、カリフォルニア州サンディエゴのノースアイランド海軍航空基地に到着し、322日におよぶ過酷な展開を終えた。米空母の展開期間としては冷戦終結以降で2番目の長さになった。
USS Abraham Lincoln (CVN 72) Nimitz-class aircraft carrier coming into San Diego after almost 11 months on deployment. She left San Diego November 21, 2025 - October 8, 2026 SRC: INST- Giovanni Anjilow pic.twitter.com/nfUsZrhl6E
— WarshipCam (@WarshipCam) October 8, 2026
米海軍は声明で、エイブラハム・リンカーンは第5艦隊(中東方面を担任、司令部はバーレーン・マナーマ)と第7艦隊(西太平洋・インド洋方面を担任、司令部は横須賀)の作戦区域での10カ月にわたる作戦行動を終え、母港に帰投したと報告した。東太平洋方面を担任し、サンディエゴに司令部を置く第3艦隊について「米太平洋艦隊の不可欠な一部である第3艦隊は、この地域の海軍部隊を率いるとともに、戦闘作戦から人道支援、災害対応まで、あらゆる軍事作戦で海軍の役割を果たすのに必要な、現実に即した実効性ある訓練を提供しています」と紹介した。
サンディエゴ帰港の前日、ピート・ヘグセス米国防長官がエイブラハム・リンカーンを訪問していた。ヘグセスは乗組員の献身に謝意を表し、最高位の部隊勲章である「大統領部隊感状(PUC)」をエイブラハム・リンカーン空母打撃群(CSG-3)に授与した。
ヘグセスが授与式で述べたところによると、今回の展開期間中、エイブラハム・リンカーン空母打撃群は戦闘ソーティを3693回実施し、弾薬を137万ポンド(約621トン)投下・発射し、トマホーク対地攻撃巡航ミサイルを450発発射した。また、イランの片道攻撃ドローン(無人機)を77機撃墜し、艦艇を64隻撃沈し、対艦巡航ミサイルを21発撃破し、高速攻撃艇・ダウ型船を4隻阻止した。
ハン・カオ米海軍長官代行も、エイブラハム・リンカーンとその空母打撃群の帰還を歓迎した。
Congratulations to @CVN_72 and all of CSG-3 on this well-earned Presidential Unit Citation for their extreme heroism over the last 10 months in defense of our homeland. https://t.co/s5SWyOLLal
— Acting Secretary of the Navy Hung Cao (@SECNAV) October 7, 2026
リンカーンの長い展開
ニミッツ級原子力空母の5番艦であるエイブラハム・リンカーンは2025年11月21日、西太平洋で予定されていた任務のためサンディエゴを出港していた。この任務はもともと2026年の夏までの完了が見込まれていたが、2026年1月、翌月28日に発動されることになる対イラン「壮絶な怒り(エピック・フューリー)作戦」に向けた米軍の戦力増強の一環で、エイブラハム・リンカーンは中東に派遣された。
春から夏にかけてイランに対する米軍の戦闘作戦が縮小するなかでも、エイブラハム・リンカーンはイランに対する海上封鎖の実施を支援するためアラビア海にとどまった。米空母の冷戦後の展開期間として今回のエイブラハム・リンカーンより長いのは、やはり今年中東に派遣されたジェラルド・R・フォード(CVN-78)による直近の展開しかない。バージニア州のノーフォーク海軍基地を母港とするジェラルド・R・フォードは2025〜26年の展開中、中東のほか北海やカリブ海、地中海でも作戦行動をし、全体の展開期間は326日、およそ11カ月におよんだ。



