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AI

2026.10.13 11:00

「考えるだけでAIに指示」、手術がいらない帽子型端末のサビが79億円調達

(C)sabi

サビは思考の文字化精度が最大77%と主張、AIが利用者に合わせて学習

大きな問題は、手術を伴う方式と同じことを本当に実現できるかどうかだ。チャブラによると、研究室で多数の配線につないだヘルメット型の初期試作品を2週間超使った人では、脳の信号から考えた内容を最大77%の精度で文字にできたという。サビのAIは、使う人ごとに脳の信号と思考の対応関係を学ぶため、使用期間が長くなるほど精度が高まるという。考えの前後関係から省略された言葉を補い、次の単語を予測するAIモデルを使えば、精度はさらに上がるとしている。

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チャブラは「AIモデルの性能は向上しているが、人間の意図に沿わなくなるとの懸念もある。AIが人間の論理や感情を理解できれば、人間が望む通りに行動する可能性ははるかに高まる」と語る。

被験者が見た写真を脳活動から特定した研究が、創業につながった

サビの着想は、共同創業者兼最高技術責任者(CTO)のアトマディープ・バナジーが参加した研究にさかのぼる。2023年にAI分野の学会NeurIPSで発表された研究では、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で測定した脳活動から、被験者が見ていた画像をAIで判別できることを示した。被験者は脳を測定する装置の中で、物体や風景を写した約1万枚の画像を、1枚につき3秒ずつ見た。

当時、医療AIの研究団体MedArcでオープンソースの研究に携わっていたバナジーは、プリンストン大学の研究者と共同でAIモデルを開発した。被験者に見せた画像と、その時の脳の測定データを組み合わせて学習させた結果、300枚の選択肢から実際に見た写真を93.6%の精度で特定できた。29歳のチャブラは「脳の外へ届く信号には、深層学習で脳内の活動を理解できるだけの強さがあると証明された」と話す。

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スタンフォード大学で生体信号とAIの記憶機能を研究していたチャブラは、2023年、インド・ラジャスタン州の大学BITSピラニで同室だったバナジーと構想を話し合い始めた。バナジーはそれまで、インドの衛星関連企業ピクセルで、衛星画像に写る道路や建物を識別するAIモデルを学習させていた。チャブラは両者をGPSに例え、「地球のGPSを作ることは、脳のGPSを作ることとまさに同じだと分かった」と語る。

2人は2024年5月にサビを共同創業した。当初は約4ポンド(約1.8kg)のヘルメットを構想したが、重くて扱いにくかった。チャブラは「誰もかぶりたいとは思わないだろう」と振り返る。そこで、頭皮全体を覆いながら重さを抑えられる装置として、野球帽型の設計を選んだ。サビは野球帽型に加え、ニット帽型やバケットハット型のデザインも公開している。

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