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リーダーシップ

2026.10.09 20:49

パフォーマンスと文化を同時に築くリーダーの実践論

stock.adobe.com

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AssetMarkのグループCEOに就任したとき、私は何かしら破綻している部分が見つかるだろうと予想していた。しかし、クライアントから寄せられた最も明確なメッセージの1つは、いたってシンプルなものだった。「うまくいっているものには手を出すな」というものだ。

彼らの意図は理解できた。当社は価値あるもの、すなわち誠実さと強固な関係性に基づくクライアント中心の文化を築き上げていた。従業員はミッションとお互いを信頼していた。その文化は、私が刷新すべきものではなかった。むしろ、守るべきビジネス上の強みだったのだ。

しかし、強い文化を守るということは、その周辺で育まれたあらゆるプロセスや慣習をそのまま保持することを意味しない。

組織が成長するにつれ、かつて成功を支えた働き方が、むしろ組織の動きを鈍らせることがある。意思決定に時間がかかり、責任の所在が曖昧になり、コミュニケーションの階層が増え、説明責任を明確にするのが難しくなる。

リーダーシップにおける課題は、文化を強固なものにしていた信頼、共通の目的、そして関係性を維持しながら、組織の運営方法を改善することだ。

価値観を業務の指針に変える

価値観は、単に企業を説明するものであってはならない。企業を動かす助けとなるべきものだ。

価値観を定義することは容易だが、それを役立つものにするのはより困難だ。従業員は自社の価値観を具体的な意思決定に落とし込めるようでなければならない。自分はどのような基準を維持すべきか。クライアントは自分に何を求めているのか。自分は何に責任を負っているのか。

私が同社に加わったとき、「クライアントの成功」はすでに当社の価値観の1つだった。価値観の刷新の一環として、私たちはこの言葉をより能動的な表現に改めた。「クライアントの成功」を「クライアントの成功に執着する」へと変更したのだ。

この変更は意図的なものだった。クライアントの成功を、特定チームが担う結果ではなく、組織全体で共有する責任として感じてほしかったのだ。実践面では、あらゆる意思決定、引き継ぎ、やり取りが、最終的にアドバイザーとクライアントにどう影響するかを問うことを意味する。

期待値を明確にすれば、曖昧さが排除され、全員が基準を理解できるようになるため、説明責任はより有意義なものになる。価値観を実行可能な形にすることで、私たちの文化の最も強力な部分が明確になり、実践しやすくなった。

人々が自らの意思決定、行動、そしてサービスの指針として文化を活用できるようになって初めて、文化は組織の運営に組み込まれるのだ。

従業員体験をクライアント基準で引き上げる

企業の内側で起きていることは、最終的にはクライアントに伝わる。

私はそのつながりを、当社の従業員がファイナンシャルアドバイザーとの関係において示す配慮の中に見出している。実際、アドバイザーから当社の価値観の要素を取り入れ、自社に応用したという話を聞いたことさえある。これが重要なのは、企業文化の最大の証明とは、企業が自らについて語ることではなく、他者が何を体験するかだからだ。

リーダーとしての私の課題は、クライアントが信頼を置く温かさ、協調、そして卓越性へのこだわりを維持しながら、明確さ、説明責任、そして業績の基準を引き上げることだ。

それは組織の内部から始まる。明確な期待、共有された価値観、そして人々が互いに責任を感じ、安心して声を上げられる環境である。

互いを信頼し合うチームは、リスクをより早く表面化させ、問題をより迅速に解決し、社内の摩擦に対処する時間を減らすことができる。これは、手戻りの減少、上申件数の削減、そしてアドバイザーとクライアント双方の体験向上を意味する。

企業文化は業績と切り離されたものではない。仕事がどのように行われるかを決定づけるものだ。

自己点検を業務の一部にする

強い組織であっても、自らの習慣がどこで妨げになっているのかを問う規律が必要である。

当社は、スマートなテクノロジーの導入を通じて職場を近代化するにあたり、既存の働き方がどのように業績を阻害しているかを検証するため、「働き方の未来(future-of-work)」プロジェクトを立ち上げた。

この取り組みは、価値観の刷新や、実践を通じた学習と実験の明確な許可による「継続的な学習」の強化、さらには「スピークアップ」プログラムを通じた率直でオープンな対話の促進など、いくつかの施策に役立てられた。

私たちはすべてを一度に直そうとはしなかった。管理可能な一連の優先事項に集中した。

私がよく言及する普遍的な教訓は「実行し、学び、実行する(Do, learn, do)」だ。実践においては、耳を傾け、最も重要なことを決定することを意味する。すなわち、行動し、その結果から学び、調整し、そして再び実行するのだ。

大企業は問題をリストアップすることに莫大なエネルギーを費やしがちだ。リーダーシップとは、組織の限られた時間、人材、そして投資をどれに向けるべきかを決断することである。

問うべきは、すべてを改善できるかどうかではない。最も重要なことを改善しているかどうかである。

自己点検の目的は、プロセスを増やすことではない。少しの仕組みによって組織をより効果的にできる場所を見極めることにある。

官僚主義を排除しつつ、拡張可能な厳格さを加える

就任初日から私の目標は、当社の文化を特徴づける起業家的なエネルギーと強固な関係性を維持しつつ、計画、コミュニケーション、優先順位付け、そして意思決定における規律を加えることだった。

成長には、構造と業務上の厳格さ、すなわち成果、ガードレール、オーナーシップの明確化が不可欠だ。これらが整うことで、現場の仕事を最もよく理解している人々に権限を近づけることができる。

すべての意思決定がトップまで上がらなければならないのなら、私たちは厳格さをつくったのではない。依存をつくったのである。

CEOの仕事は、組織の方向性と基準を疑いようのないものにし、有能な人材を行動できるポジションに配置し、説明責任が果たされる環境を整えることだ。

目標は、スピードを守り、適切な優先事項にリソースを向け、不要なコストを増やしたり成長の勢いを鈍らせたりすることなく組織を拡大できるよう、十分な構造を提供することである。

高いパフォーマンスは「実践」である

企業文化は強みになり得る。しかし、それは自然に維持されるものではない。リーダーは、どの慣行が組織の価値観を強化し、どれが摩擦を生み、ビジネスの成長に伴ってどれを進化させる必要があるかを検証し続けなければならない。

私は、リーダーが人間性と高いパフォーマンスのどちらか一方を選ばなければならないとは思わない。最も強固な組織はその両方を求める。彼らは従業員を深く思いやり、同時に高い基準を維持する。信頼を守り、説明責任を求める。会社を特別なものにしている要素を維持しながら、もはや役に立たなくなったものを変える勇気を持っている。

単に自分の足跡を残すためだけに、強固な文化を変えてはならない。価値観を実践しやすくし、組織を運営しやすくし、業績基準を誰もが誤解なく理解できるようにするのだ。

心を守る。摩擦を取り除く。基準を引き上げる。そして、もう一度それを行う。

(forbes.com 原文)

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