カナダの詩人アン・カーソンが2026年のノーベル文学賞を受賞した。カーソンはエッセイスト、批評家としても知られ、グッゲンハイム財団とマッカーサー財団による創作・研究活動の支援を受けてきた。受賞前から最有力候補の1人とみられていた。
カーソンは古典文学の知識と現代への視点を組み合わせ、倫理、深い悲しみ、欲望などを詩や散文で探究してきた。ノーベル文学賞の受賞は、受賞者の新しい作品だけでなく過去の著作にも関心を呼び起こし、出版契約や活動の機会を広げる可能性がある。
古典文学を現代に生かすアン・カーソン、その代表作とノーベル文学賞受賞
カーソンは作品に視覚的な要素を取り入れるなど、従来の文学の形式にとらわれない。1986年刊行の初の批評書『Eros the Bittersweet』で注目を集めた。1998年の小説『赤の自伝』では、詩の形式を使い、ギリシャ神話のヘラクレスとゲリュオンの物語を現代的に描き直した。
2001年の『The Beauty of the Husband』は、失恋の痛みを29の「タンゴ」で描いたフィクション作品だ。カーソンはこの作品でT・S・エリオット賞を受賞した。
アイスランドで「風の音を聞いていた」
スウェーデン・アカデミーの事務局長イングリッド・カールベリによると、カーソンに連絡を取った時、カーソンはアイスランドで「風の音を聞いていた」。受賞を知らされて、非常に驚いたという。
予測市場の有力候補は、カーソンと中国の小説家・残雪
スウェーデン現地時間10月8日の受賞者発表前、予測市場のオッズと専門家の予想では、カーソンと中国の小説家、残雪(ツァン・シュエ)が有力候補だった。残雪は、ノーベル文学賞の選考委員会が好む政治的な背景を持つとみられていた。他の候補は、予測市場ではこの2人に大きく引き離されていた。



