ベスクレストノウは公表した理由に関して「敵はすでに自分たちのチャンネルでこれを取り上げている」と述べている。
あわせて「わが国の軍人たちはかなり前から、戦果だけでなく発明や創意工夫に対してもeポイントを受け取っている」と説明したうえで、「わたしと国防省のチームは、これを考案した人たちの創意をかねて高く評価してきた」と明かした。
ウクライナ国防省のeポイント制度はドローン戦をいわば「ゲーム化」したもので、操縦士は目標を撃破するとポイントを獲得できる(戦車なら6ポイント、兵員輸送車なら3ポイント、レーダーなら12ポイントといった具合に)。獲得したポイントは、新たなドローンやその他の装備と交換できる。この制度はのちに、負傷者の後送などの行動にもポイントを付与するように拡大されており、現在はイノベーションを促進する目的でも活用されているようだ。
パーチング型ドローンの歴史
パーチング型軍用ドローンの開発には長い歴史がある。とりわけ注目されるのは、米空軍と結んだ契約で米企業Vishwa Robotics(ビシュワ・ロボティクス)のバールガブ・ガッジャーが開発した、タカの脚を模倣した本物そっくりの脚である。ばね仕掛けの爪は強力なグリップ力を備えており、ドローンは跳ね返されることなくワイヤーなどに高速で着地できた。しかし、このコンセプトがその後発展することはなかった。
米Design Intelligence(デザイン・インテリジェンス、DII)がオクラホマ州立大学の協力を得て開発した「Perching Micro Air Weapon(とまり型マイクロ航空兵器)」は、秘密作戦で使用できるように全体が鳥のような見た目をしていた。名前が示すとおり、もともと何かにとまることを前提に設計されていた。
DIIのジェイムズ・グリムズリー最高経営責任者(CEO)は2016年、筆者の取材に「このプロジェクトは非常に成功したのですが、空軍はそれ以上進めないことを決めてしまいました」と述べている。「(生物の仕組みに着想を得る)生物模倣や、長い航続時間、独自の着陸・離陸技術や手法といったものをさらに発展させることに成功しました」とも説明していた。
同じく米軍向けに開発された米Aethermachines(エーテルマシーンズ)製マルチコプター(複数の回転翼のドローン)は、さらに一歩進んだものだった。このドローンは電線にとまるだけでなく、電力を取り込んで40分で充電することもできた。電線に設置されている黒い箱などの配電設備に似せるため、追加のフィンやリングを取り付けて偽装する仕様にもなっていた。


