人を結ぶ力は、どう育まれるか
北野:現代人にとって「結婚」とは何でしょう。
植草:「自立」ですね。昔は実家から「嫁ぐ」ことが多かったけれど、一度は「ひとり家族」として立つことが大切です。親が毎日食事を用意してくれる家にずっといたら、寂しさも感じないし、誰かと家庭をつくろうという気持ちにもなりにくい。ひとりで立って「ひとりはもういい」と感じたとき、初めて誰かと手をつなごうと思うんです。
そして結婚は、自分のいちばんの味方をつくること。お互いが同じ土俵に立ち、思いやりをもって協力する。家賃はいくらで、毎月それぞれいくら出すのか。平日に何回一緒に食事をするのか。朝食は誰がつくるのか。結婚前に情報を全部テーブルに出し、未来予想図を描くんです。嘘をつかない、愛情深い、きちんと働く。この3つを備えた人なら、ふたりで生活をつくっていけます。

北野:ビジネスパーソンにとって、婚活アドバイザーの仕事から学べることはありますか。
植草:初対面を大事にすることです。最初に会ったときの印象で、その後の関係はかなり決まります。笑顔は武器です。感じよく挨拶して、相手に心を開いてもらう。初対面の会話では、いきなり否定から入らない。「わかります」と一度受け止めてから、「こういう意見もありますよ」と話す。どれほど正しいことを言っても、最初に「嫌な人だ」と思われたら次はありません。
北野:目の前に進路に悩む15歳がいて、「将来は人のご縁をつなぐ仕事がしたい」と言ったら?
植草:まず、今やるべきことをやりましょう。15歳なら、学力や運動能力を身につけ、同世代と遊び、勉強し、いろいろな経験をする。今から将来をひとつに決めつけなくていい。人とかかわる仕事にいちばん必要なのは、人間力です。相手の心情を想像し、わかってあげなければいけない。簡単な仕事ではありません。だからこそ、まず自分が何かに熱中し、たくさんの人とかかわり、知識と経験を増やしてほしい。人を結ぶ力は、そうやって生きた時間の全部からできていくものなんです。

植草美幸◎恋愛・婚活アドバイザー。1995年、東京・青山でアパレル業界に特化したコンサルティング会社エムエスピーを創業、販売代行や人材派遣を展開。リーマンショックを機に2009年、結婚相談所マリーミーをスタート。アパレルで培った販売・プロデュース力を生かす「婚活ファッション」や、会員の仕事観、家族関係まで踏み込む独自のマッチングで多数の成婚を支援する。テレビ、ラジオ、YouTube、講演などでも婚活・結婚観を発信。著書に『結局、女は「あざとい」が勝ち!』『ワガママな女におなりなさい』など。


