ブランドが提供する商品情報をパーソナルAIエージェントはどこまで重視するのか
ブランド側が商品情報を充実させれば、必ずパーソナルAIエージェントに重視されるわけではない。パーソナルAIエージェントは買い物客のために行動するよう設計されている。企業が宣伝色の強い情報を増やすほど、ブランドが提供する情報より独立したレビューを重視する可能性がある。DaVinci Commerceは商品情報を充実させる際にレビューやSNS上の会話も取り込むが、各情報をどの程度重視するかはAIプラットフォームごとに決まる。
競争の対象はウェブサイトだけでなく、AIが商品を選ぶ際に参照する情報にも及ぶ
CMO(最高マーケティング責任者)や販売部門の責任者にとって、競争の対象はウェブサイトだけでなく、パーソナルAIエージェントが商品を選ぶ際に参照する情報にまで広がる可能性がある。ブランドは何十年も、人間と検索エンジンに合わせてウェブサイトを最適化してきた。エージェント型コマースでは、パーソナルAIエージェントが数百の属性を評価し、消費者に見せる商品を決める。ブランド側も、パーソナルAIエージェントが商品を選ぶ際に参照する商品情報を整える必要が生じるかもしれない。
AIの回答や推奨に商品がどの程度登場するか、独立した評価基準はまだない
もう1つの課題が測定だ。AIの回答や推奨に自社商品がどの程度登場するかを測るデータの多くは、そうした測定ツールを販売する事業者が提供している。独立した評価基準もまだ登場しておらず、測定方法は定まっていない。
小売企業がまずできるのは、買い物客が自分の言葉でパーソナルAIエージェントに質問したとき、自社商品がどう表示・推奨されるかを確認し、その結果を商品ごとに測定することだ。
AIエージェントが利用者の体験に影響する動きは、小売業だけに限らない。スポーツでも、AIエージェントがファン体験に影響し始めている。
買い物客が商品を見る前に、ブランドAIエージェントとパーソナルAIエージェントが競う
小売業界で次に勝敗を分けるのは、買い物客が検索欄には入力しないような質問に、どのブランドAIエージェントが答えられるかという点かもしれない。小売での次の競争は、買い物客が商品を目にする前に始まる可能性がある。ブランドAIエージェントとパーソナルAIエージェントの間で起きる競争だ。


