「Product Context Memory」が商品ごとの文脈を知識グラフ化
DaVinci Commerceが商品情報の文脈を補うために使うのが「Product Context Memory」だ。調査エージェントを使い、カタログ、評価、レビュー、SNS上の会話、ライフスタイル関連コンテンツから情報を取り込む。収集した情報同士の関係を商品ごとに結び付け、知識グラフとして整理する。DaVinci Commerceによると、1つの商品に季節によって変化する数千の文脈を持たせられる。
AIに検索・推奨されたか、商品ページへ送客できたかも測定
商品情報を整備するだけでなく、AI上で実際に商品が見つけられたかも測定する。「Product Discovery Intelligence」は、商品がAIシステムの検索・取得対象になり、推奨されているかを追跡する。AI上での商品への言及をきっかけに、買い物客がブランド公式の商品ページへ移動したかどうかも測る。
「消費者はパーソナルAIエージェントに、自分の暮らしやニーズ、解決したい問題を伝える」と、DaVinci Commerceの創業者兼CEOでインフォマティカも創業したディアス・ネサモニーは声明で述べた。「大半の商品カタログは依然、技術仕様でしか商品を説明していない」。
DaVinci Commerceはアクセンチュアの支援を受け、ネスレ、ディアジオ、ジャイアント・イーグル、ノードストロームを顧客として挙げている。
セールスフォースは文脈検索、Shopifyは複数AIへの商品配信を進める
AI向けの商品情報整備を進めているのはDaVinci Commerceだけではない。セールスフォースは、文脈を認識する検索企業Cimulateを買収した。2026年7月には、Agentforce Commerce内で「Agentic Commerce Search」の一般提供を始めた。セールスフォースの「Shopper Agent」は、Agentic Commerce Protocol(ACP)を介してブランドの商品カタログをChatGPTへ接続する。
編注:Agentic Commerce Protocol(ACP)とは、AIエージェントと販売事業者のシステムを接続し、商品カタログの共有や注文、決済など、商品発見から購入までを連携させるためのオープンスタンダード。OpenAIとStripeが共同開発した。MCPがAIを外部のデータやツールへ接続する汎用的な仕組みなのに対し、ACPはAIを介した商取引に特化している。
Shopifyは、商品情報の配信先を広げる戦略を取った。2026年3月には「Agentic Storefronts」を初期設定で有効にし始め、加盟店の商品カタログをChatGPT、マイクロソフトのCopilot、グーグルのGemini、Perplexityへ送るようにした。
Shopifyは、ChatGPTなどのAIとの会話で商品が提示される機会を増やすことに重点を置く。セールスフォースとDaVinci Commerceは、パーソナルAIエージェントがどの商品を推奨するかを「文脈」が左右すると見込んでいる。


