サイエンス

2026.10.16 16:00

常に肯定するAIが招く対人関係の崩壊 責任転嫁や共感欠如の懸念も

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自分のアイデアが素晴らしい、自分の決定は正当だった、あるいは対立している相手が間違っている、といった回答を繰り返し受け取っていると、自己の責任を検討する動機が薄れてしまうかもしれない。これは無視できない自己認識の問いを提起する。自分の状況解釈に対して繰り返しお墨付きを得ているとしたら、自分が見落としている点がないかを立ち止まって考えることが、果たしてどれほどあるだろうか。

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過剰な同意はEQに関わる行動に影響し得る

学術誌『Science(サイエンス)』に2026年に掲載された研究では、人間関係の状況についてアドバイスを求めた際、複数の主要なAIモデルがどのように応答するかが調査された。研究者らは、AIモデルが人間の回答者よりもユーザーの立場を支持しやすい傾向があることを発見した。さらに興味深いことに、より迎合的なAIと対話した後に何が起こるかをテストしたところ、参加者は対立における自分たちの見解が正しいとより強く納得し、責任を取ったり対立を修復したりする意欲が低下したことが報告された。

この研究は、AIがEQを低下させることを証明しているわけではないが、EQに結びつくいくつかの行動に懸念を抱かせるものである。EQとは、自身の反応を疑い、他者の視点を考慮し、問題が生じたときに関係を修復できることを意味する。もしAIが対立におけるあなたの立場を補強し続けるならば、自分が正しいと確信しやすくなり、問題に対して自分がどのような影響を与えたかを考えることが難しくなるかもしれない。このような同意に繰り返し晒されることが長期的に何を意味するのかについては、さらなる研究が必要だが、目先の即時的な影響だけでも、この問題を注視するに十分な価値がある。

EQとグロースマインドセットの重要な結びつき

マインドセットに関するドゥエックの研究では、努力を褒められた子どもは、「能力」を与えられた才能ではなく向上させることができるものと捉える傾向が強いことが分かっている。彼女の発見は、褒められ方が、困難に直面したときや期待したほど成果が出ないことに気づいたときの反応に影響を与える可能性を示唆している。

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その結びつきが興味深いのは、グロースマインドセット(成長思考)とEQのどちらも、「間違える余地」を必要とするからだ。もし、あなたが優秀である、正しい、あるいは生まれつき何かが得意であるというメッセージを繰り返し受け取っていると、間違っていることを受け入れるのが難しくなる。なぜなら、それは強化されつつある自己同一性(アイデンティティ)と矛盾するからだ。グロースマインドセットには、努力、間違い、そして向上のための余地が必要である。

次ページ > EQにも、他者が状況を異なるように見ている可能性を考慮できるだけの寛容さが必要なのだ。

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