カルチャー

2026.10.16 15:30

LAで大規模J-POPフェスを主催 日本の音楽文化を守り育てる

千木良卓也|クラウドナイン代表取締役社長

千木良卓也|クラウドナイン代表取締役社長

Forbes JAPAN 2026年11月号は、文化の力で世界を駆ける「カルチャープレナー」たちを特集。文化やクリエイティブ領域の活動によって新ビジネスを展開し、豊かな世界を実現しようと試みる文化起業家を30人選出する企画で、今回で4回目となる。今年注目したのは、優れた作品や商品を生み出すだけでなく、流通や人材育成、地域との関係まで含め、文化が続いていくための基盤をつくろうとする実践だ。アニメやゲーム、工芸、食、地域開発など領域を越えて、文化を次の創造へと循環させる挑戦を紹介する。

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Adoなどを擁するクラウドナインの創業者・千木良卓也は、J-POPが米国市場に進出するための土壌づくりを進めている。その背景にある思いとは。


2026年5月、ロサンゼルス近郊のライブ会場に約2万人が集まり、日本語の歌に合わせた大合唱が夜空に響いた。Adoや新しい学校のリーダーズ、ちゃんみななど7組のアーティストが出演した「Zipangu」は、日本人アーティストのみの海外音楽フェスとして過去最大規模を記録。主催したのは、Adoなどが所属するクラウドナインだ。手探りの要素も多い米国市場での一社単独主催だが、代表取締役社長の千木良卓也は、なぜ開催に踏み切ったのか。

「日本は米国に次ぐ世界第2位の音楽市場。大手レーベルは国内だけでもビジネスが成立してきたからこそ、海外興行のノウハウを十分に蓄積してきませんでした。僕らのように小さな会社が先にリスクを取り興行を成立させれば、その後に大きな会社も続きやすくなるのでは。Zipanguは、日本のアーティストが世界進出するための足場づくりだととらえています」

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千木良は美容業界を経て30歳で音楽業界に入り、GReeeeN(現GRe4N BOYZ)のマネージャーなどを務めた後、19年にクラウドナインを設立。「世界」への進出は、創業期のAdoとの出会いから始まった。

欧米での信頼や実績がない状態からの出発で、人種や文化の壁もあるなかで計画は難航。映画『ONE PIECE FILM RED』の主題歌「新時代」(22年)が日本の楽曲として初めてApple Musicのグローバルチャートで1位を獲得すると、海外プロモーターからの評価が一変した。25年のワールドツアー「Hibana」では世界33都市で50万人以上を動員し、日本人アーティストによるワールドツアーとして過去最大級の規模に達した。

左から、26年5月にLA のBrookside at The Rose Bowlで開催した、日本音楽の“今”を世界へ届ける音楽フェス「CLOUD NINE presents“Zipangu” JAPANESE MUSIC EVENT 2026」の様子。所属アーティストのAdo。
左から、26年5月にLA のBrookside at The Rose Bowlで開催した、日本音楽の“今”を世界へ届ける音楽フェス「CLOUD NINE presents“Zipangu” JAPANESE MUSIC EVENT 2026」の様子。所属アーティストのAdo。
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文=フガクラ 写真=若原瑞昌

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