こうした状況を踏まえ、EUは北京で開かれる会合で、何らかの解決策を見いだすことを期待している。香港英字紙サウスチャイナ・モーニングポストは、EUと中国の貿易関係にとって、10月は「正念場」だと報じた。同紙によると、欧州側は中国からの輸入の急増を抑制したいと考えている。これはEUから中国への輸出の低迷と相まって、巨額の貿易赤字を拡大させる要因となっている。英紙ガーディアンによると、1~7月期のEUの対中貿易赤字は2340億ユーロ(約42兆円)に達した。だが、中国側は輸出の抑制を求める提案を公に拒否している。
今回の会談では、中国によるレアアースの輸出規制の扱いや、今後の措置がEUに及ぼす影響についても議論されるものとみられる。中国は当初、2025年10月から広範なレアアース輸出規制を実施すると発表していたが、翌月にこの規制を一時停止し、停止期間を2026年11月10日まで延長していた。米国と中国は9月下旬、11月10日に期限切れとなる予定だった輸出規制の停止期間を2027年1月10日まで延長することで合意した。しかし、中国はEUに対するレアアース輸出規制の停止も延長する意向があるかについては明言していない。現時点では、中国産のレアアースに依存している欧州企業がどのような影響を受けるのかは不透明だ。
EU関係筋はサウスチャイナ・モーニングポストの取材に対し、年内にも断固たる措置を講じる見通しであることを明らかにした。欧州の防衛産業にとって、レアアースは装備や兵器の製造に不可欠であり、中国による輸出規制停止措置の期限が切れた場合、EUは解決策を講じる必要がある。
EUは15~16日にかけてブリュッセルで開催される欧州理事会(EU首脳会議)で、今後の対応策について協議する予定だ。検討されている手段の1つに、調達の多様化を図るための措置がある。これは重要分野を担う欧州企業に対し、複数の国にまたがる少なくとも3社の供給元を確保するよう義務付けるもので、これにより欧州の中国産レアアースへの依存度を低減できる可能性がある。


