北米

2026.10.06 08:00

トランプ米大統領の「ぶれる」政策、公約との矛盾が次々と露呈

米国のドナルド・トランプ大統領。2026年10月3日撮影(Roberto Schmidt/Getty Images)

トランプ大統領は事態を収拾しようと、外国産牛肉に対して米市場を再び開放した。中間選挙を控える中、この措置によって小売価格が下がることを期待したのだろう。ところが、これにより安全面への懸念が高まり、国内の畜産農家からの猛反発を招いた。そこでトランプ大統領は、政府の検査を受けた食肉加工施設ではなく、農家自身による食肉処理を許可することで、怒りを鎮めようとした。当然、これには危険が伴う。汚染された牛肉が検査の網をすり抜けて流通し、健康被害が発生すれば食肉需要は落ち込み、畜産農家と消費者の双方が不利益を被ることになりかねないからだ。

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社会福祉

トランプ大統領と共和党主導の議会は、低所得者向けの公的医療保険「メディケード」や生活保護制度に当たる「補助的栄養支援プログラム(SNAP)」などの給付を大幅に削減した。その一方で、同大統領は自らが受給に値すると認めた人々に対しては、政府の資金を支給したり、支給を約束したりしている。

同大統領は、チップや残業代を受け取る一部の労働者を対象に減税を実施したほか、農家には120億ドル(約2兆円)の連邦支援金を支給した。トランプ政権は現在、就業せず家庭で子どもの世話をする親に対して年間最大9000ドル(約142万円)の補助金を支給する案を検討しているとの報道もある。こうした措置は就労への意欲を削ぐことになり、月80時間以上働かない者にはメディケードの受給資格を与えないとするホワイトハウスの方針とは大きく矛盾する。

同大統領は今、米国の成人全員に一律5000ドルの「トランプ配当」を支給すると約束している。これに伴う費用は1兆3000億ドル(約206兆円)に上り、金利をさらに押し上げる要因になるとみられている。

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社会主義

民主党の予備選挙で草の根の政治団体「米民主社会主義者(DSA)」と関わりのある有力候補が勝利したことを受け、共和党は民主党に「社会主義」というレッテルを貼ろうとしている。実際、これらの候補者の中には、社会主義の教科書的な定義に極めて近い考えを持つ人物もいる。

だが、そうした候補者が生産手段を政府の管理下に置くような政策を掲げる一方で、トランプ大統領はすでにこれを実行している。同大統領就任から2年足らずの間に、米政府はUSスチール、インテル、IBMを含む30社以上の米企業の株式を取得した。

政治家は言葉ではなく行動で評価されるべきだと言われる。その基準に照らせば、トランプ大統領は自身の公約を果たせていないだけでなく、行動が自ら掲げた目標と矛盾していると言わざるを得ない。

(forbes.com 原文)

翻訳・編集=安藤清香

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