ロシアがダーニ-Tの存在を初めて公に認めたのは今年9月だが、ウクライナ側はその1カ月前にロシアの新型兵器として確認していた。エル・アラメイン航空ショーでロステックは、ダーニ-Tは実戦での発射にすでに数百回成功していると主張している。
ダーニ-Tとバンデローリは攻撃の際に識別するのが困難なため、ウクライナ側の報告では「バンデローリ/ダーニ-T」と併記されることが多く、ダーニ-Tの実際の使用数は判断しにくい。とはいえ9月以降、バンデローリ/ダーニ-Tによる攻撃の報告数は顕著に増えている。
ウクライナ空軍の発表によれば、ロシア軍が9月16〜17日に行った複数のミサイルとドローン150機超による攻撃には、バンデローリ/ダーニ-Tが10発・機含まれていた。翌18日にも3発・機の飛来が報告されている。9月21~22日の攻撃でも、弾道ミサイルや従来型の巡航ミサイル、ゲラニのほかに、バンデローリ/ダーニ-Tが8発・機投入された(編集注:10月4日にあったキーウのピウニチュニー橋に対する2日連続の攻撃にも、バンデローリ/ダーニ-Tが使用された可能性が指摘されている)。
Footage from today in Kyiv, Russian occupiers hit the Pivnichnyi Bridge with a jet-powered Shahed or Banderol right in daytime traffic. https://t.co/xD1hDWb4Jg pic.twitter.com/8Pac4LV7fI
— WarTranslated (@wartranslated) October 4, 2026advertisement
ダーニ-Tがもたらす影響
ロシアはウクライナに対する攻撃に使用するドローン・徘徊弾薬のジェット推進化・高速化シフトを進めており、ダーニ-Tの投入もそれを反映している。より低速のゲラニ-2がウクライナ側の安価な迎撃ドローンに撃破されるようになったことから、ロシア側にはそれを振り切れる兵器を開発する動機が生じた。それがゲラニ-3やゲラニ-5、バンデローリ、ダーニ-Tといったジェット推進式システムの導入につながっている。
他方で、ロシア軍はゲラニ-2をはじめ、より低速な片道攻撃兵器も引き続き運用している。このため、ロシアによる攻撃には速度や飛行特性、射程、シグネチャー(レーダーなどで捉えられる特徴)が異なるさまざまな兵器が混在するようになっている。ウクライナ側は一度の攻撃の間に複数の種類の脅威に対処しなければならず、防空対応がさらに複雑化している。
ダーニ-Tのような兵器の価値は、量産できるかどうかに大きく左右される。最近の報道によると、ロシアはダーニ-Tを2026年末までに最大2000機、2027年には最大1万4000機生産することを目指しているとされるが、これらの目標の達成は容易ではないかもしれない。


