欧州

2026.10.06 07:00

ロシアが新型徘徊弾薬「ダーニ-T」を投入 安価で高速、来年1万機超の生産計画か

エジプトで開かれた国際防衛展示会に出展されたロシアの徘徊弾薬「ダーニ-T」。ソーシャルメディアで共有された画像から

ダーニ-Tの射程は450km、最高速度は時速500kmとされる。速度はプロペラ推進式の「ゲラニ-2」よりもかなり速く、ジェット推進式の「ゲラニ-3」がより近い比較対象になる。同じくジェット推進型で、より新しい「ゲラニ-5」は時速約600kmに達する。一方で射程はこれら3タイプのゲラニのほうが長く、ゲラニ-5の場合、ダーニ-Tのおよそ2倍の距離を飛行できる。ダーニ-Tは射程が短い半面、ゲラニに通常搭載される弾頭よりも大型の130kgの弾頭を積む。

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ロシアの従来の巡航ミサイルや極超音速ミサイルに比べると、ダーニ-Tは射程、速度、弾頭重量いずれも大きく劣るものの、コストは大幅に低く、生産に必要とする資源も少ない。

ダーニ-Tの開発と配備

ダーニ-Tは、空中標的機の「ダーニ-M」をベースにしているとされる。ダーニ-Mは飛来する航空機や巡航ミサイルを模擬するものとして、ロシア軍の防空部隊の訓練に使用されるジェット推進式ドローン(無人機)である。ダーニシリーズのドローンはもともと、カザンを本拠とするソコル設計局によって開発された。ダーニ-Tの輸出向け販売は、ロシアの国有防衛コングロマリットであるロステックが担当している。

ダーニ-Tは、ダーニ-Mの基本的な空力設計とジェット推進方式を保持しつつ、片道攻撃任務向けに改修されている。ダーニ-Mに搭載されていた回収用パラシュートと、訓練用にレーダー反射断面積を大きくするリューネブルクレンズを取り除き、弾頭と戦闘用誘導装置用のスペースと重量を確保した。ダーニ-Mは空中標的に使われるだけに比較的低コストの仕様になっており、量産に対応可能なサプライチェーン(供給網)も確立されている。

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一部のアナリストはダーニ-Tについて、たんにダーニ-Mを改修したものではなく、「S8000バンデローリ」巡航ミサイルの改良型もしくは輸出型ではないかと推測している。だとすれば、エジプトの航空ショーで一般公開されたことも説明がつく。バンデローリはロシアのドローン・巡航ミサイルメーカーであるクロンシュタットによって生産されており、2025年からウクライナに対して使用されている。

ダーニ-Tとバンデローリは仕様や外観、運用方法が似通っているため、実戦使用時に見分けるのは難しい。ロシア側は両システムの関係について公に明らかにしていないが、ダーニ-Tはバンデローリよりも生産コストが約35%低いとされるため、バンデローリに取って代わる可能性があるとの見方もある。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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