ショートドラマはテレビにも進出、世界市場では有料視聴が主流
YouTubeによると、クリエイターのキニグラ・ディオンや、日本の縦型ショートドラマ制作集団「ごっこ倶楽部」などは、すでにShortsで複数話からなる物語を配信していた。ショート動画シリーズでは、視聴者がShortsのフィードから番組ページへ進み、エピソードを順番に視聴できる。スマートフォンだけでなく、居間のテレビでも続きを見やすくなる。
スマートフォンの縦画面向けに制作されたショートドラマは、家庭の大きなテレビ画面でも視聴されるようになっている。YouTubeはテレビでの視聴回数の増加率を公表したが、テレビで視聴している人の数は明らかにしていない。したがって、90%超という増加率だけでは、テレビ視聴者の規模までは判断できない。
世界市場の売上高予測とReelShort・Netflixの利用時間比較
市場調査会社Omdiaは、世界のショートドラマ売上高が2025年に110億ドル(約1兆7380億円)へ達したと推計する。2026年末には140億ドル(約2兆2120億円)へ増える見通しだ。
2025年第4四半期、米国のショートドラマ配信アプリ「ReelShort」の利用時間は1人当たり1日平均35.7分だった。モバイル版Netflixの24.8分を上回った。ただし、月間モバイル利用者はReelShortが110万人、Netflixが約1200万人だった。
SNSで作品を知り、他社アプリで料金を払う仕組みは変わるか
ショートドラマ専用アプリの運営企業は、YouTube、Instagram、TikTokなどを利用して視聴者を獲得してきた。Omdiaによると、世界のショートドラマ売上高の60%超は、サブスクリプションか都度課金によるものだ。2025年10月に公表された調査で、同社が明らかにした。
サブスクリプションは定額料金を支払う方式で、都度課金は視聴する作品などに応じて料金を支払う方式だ。専用アプリは視聴者に料金を支払ってもらうことで収益を得ており、YouTubeとは収益構造が異なる。
ショート動画シリーズの導入により、YouTubeで作品を見つけた視聴者が専用アプリへ移動する必要はなくなる。視聴者を獲得するためのソーシャルプラットフォームと、料金を徴収するショートドラマ専用アプリという従来の役割分担が変わり始めている。
従来のテレビ番組を保有する企業も、既存のIP(知的財産)を専用アプリで試している。ショートドラマ市場では、視聴者に続きを見てもらうことに、どれほどの収益価値があるかが問われる。


