AIの大型資金調達が欧州で相次ぎ、5カ月で新たなビリオネア8人
ここ数カ月、巨額の取引や大型の資金調達が相次ぎ、欧州はAI競争の舞台に戻ってきた。その追い風を受けて資産を急増させた欧州の創業者たちに、この2人が新たに名を連ねた。2人のほかにも、この5カ月で8人が新たにビリオネア(資産10億ドル[約1580億円]以上の富豪)となり、さらに6人が資産を大きく膨らませた。
SAPが出資した独n8nに続き、25歳の英起業家もビリオネアに
AI関連の取引が相次いだこの夏、その口火を切ったのは、ベルリンを拠点とするソフトウェアのスタートアップ、n8n(エヌエイトエヌ)だった。同社は1万2000種類を超えるテンプレートを用意し、企業が業務の流れを自動化できるようにしている。5月には独ソフトウェア大手SAPから戦略的な出資を受け、評価額は2倍の52億ドル(約8220億円)に達した。ドイツの企業登記資料によると、創業者でCEOのヤン・オーバーハウザーは同社株の推定45%を保有しており、その価値は23億ドル(約3630億円)にのぼる。これで、オーバーハウザーは新たにビリオネアの仲間入りを果たした。本人は、Forbesのコメント要請に応じなかった。
8月上旬には、英国の25歳の起業家ジェームズ・ダコムが、欧州で最も若いセルフメイド・ビリオネア(自力で財を築いたビリオネア)となった。ダコムが創業して間もない、AI向け半導体を開発するOlix(オリックス)が、33億ドル(約5210億円)の評価額で3億1200万ドル(約493億円)を調達したためだ。Forbesが当時報じたところによると、最初の会社を立ち上げるために高校を中退したダコムは、Olixの株式の推定30%を保有している。
Lovable調達とCursor買収、スウェーデン出身3人が資産急増
8月中旬には、スウェーデンのLovable(ラバブル)が、4億ドル(約632億円)の大型資金調達を完了した。AIを使ってウェブサイトやアプリを作れるサービスを提供する同社の評価額は、133億ドル(約2兆1010億円)を超えた。これにより、共同創業者のアントン・オシカとファビアン・ヘディンが保有する株式の価値は、それぞれ31億ドル(約4900億円)に増えた。
その数日後には、同じスウェーデン出身の創業者、アルビド・ルンネマルクの資産も倍増した。ルンネマルクが2022年にマサチューセッツ工科大学(MIT)の友人3人と共同で創業したAIコーディングのスタートアップ、Cursorを、イーロン・マスク率いるSpaceXが買収したためだ。
この買収で、Cursorの価値は600億ドル(約9兆4800億円)超と評価され、ルンネマルクの持ち分だけで27億ドル(約4270億円)を上回った。数学オリンピックの元優勝者であるルンネマルクは、2025年にCursorを離れ、Integrous Research(インテグラス・リサーチ)という新たなスタートアップを立ち上げた。同社は、より安全なAIを実現するためのシステムの開発に取り組んでいる。


