ペンシルベニア大学の副プロボスト兼入試ディーンであるホイットニー・ソウルは次のように話す。「誰にとっても、目的は自分にとって重要なことのために時間やエネルギー、集中力を注ぐ動機になり得る」。しかし彼女はこう指摘する。「学生が選考で目立つために、表面的あるいは人工的ともいえる関心に過度な集中を装うとき、彼らは本物の好奇心や意図を表現する絶好の機会を自ら台無しにしている。そうではなく、彼らは履歴書やスケジュールを埋めるために時間を費やしてしまい、結果として入試担当者が評価しようとしている受験生の素顔に近づけなくなっているのだ」。
報告書を振り返り、ソウルは次のように付け加える。「私たち入試事務局は、何を重視し、出願書類のどこにそれらを見出すかを明確にし、すべての学生がそのプロセスに取り組みやすくなるような問いを設計しなければならない」。フランクリン・アンド・マーシャル大学の学長であるアンドリュー・リッチは、目的を模索することは大学生活の一部であると説明する。「私たちは受験生に対して、すべてを決め終えていることを求めてはいない。本学に入学する学生の多くは、模索する猶予を得ることで、時間の経過とともに自分の方向性を見出していく。リベラルアーツ教育の大きな役割は、学生にその猶予を与えることだ。まだ入学すらしていない段階で1つの進路に固執するのではなく、好奇心に従い、何に興奮し、どこで貢献したいかを見極めればよいのだ」
報告書は、保護者や教育関係者が若者の「関心事を絞り込む」のを助けるための戦略を提案している。「高校2年生や3年生には、自分が何を大切にし、その価値観がキャリアや人生の目標にどう結びついているかを考えさせる通過儀礼や卒業プロジェクト(キャップストーン・プロジェクト)への参加を求めることが考えられる。あらゆる教科、すべての学年の授業において、学習の『なぜ』をさらに探求し、学びを大学やキャリアの可能性に結びつける工夫ができるはずだ」。
一方で著者らは次のように提案している。「多くの保護者や養育者は、学業成績について子供と話すのを少し控え、学校で何に退屈し、何に興奮したのか、そしてそれはなぜなのかについてもっと会話を交わすべきだ」。たとえば、「今週、学校で一番面白かったことは何?」といった質問は、学生が好奇心の対象についてより主体的に考えるのを促す。報告書は、このアプローチによって「10代の若者が、有意義な目標を探求し、発見し、創造し、それに取り組むプロセスを身につけることができる。また、自分が有意義だと感じることは変化し得るため、彼らは人生のさまざまな局面を移行する際にもこのプロセスを活用できる」と説明している。具体的には、「大学入試プロセス自体が、若者にとって自分が大切にしていることを見極め、明確に言葉にする方法を学ぶ絶好の機会であり、親などの大人が身近な若者をより深く知る機会でもある」と強調している。著者らは「親が自分自身の不安や思惑を脇に置き、ただ問いを投げかけて耳を傾けることができれば、若者が最も心を揺さぶられるものを見つけ、表現するための非常に貴重な存在になれる」と付け加えている。


