同様のテーマは、MCCが6月に発表した大学入試に焦点を当てたもう1つの報告書Turning the Tide in 2026: Preparing Students for Lives of Caring and Purpose(2026年の潮流を変える:思いやりと目的のある人生に向けて学生を育てる)でも取り上げられている。これは、10年前に発表された初のMCC報告書Turning the Tide: Inspiring Concern for Others and the Common Good through College Admissions(潮流を変える:大学入試を通じて他者への配慮と共通善を促す)を改訂したものだ。
2016年の報告書は、150人以上の大学入試担当リーダーが共同署名した取り組みであり、「大学入試プロセスを再構築し、志望学生の倫理的な関与を促し、過度な成果へのプレッシャーを軽減し、これまで大学進学において十分に代表されてこなかった学生たちの競争環境を公平にするための具体的な推奨事項」を提示した。同報告書は教育関係者に対し、入試プロセスが若者に送っているメッセージについて考えるよう求めるとともに、大学は共通善への貢献を重視しているということを、学生とその支援者に改めて示した。
改訂された2026年版報告書は、学生、家族、教育関係者、そして教育機関に対し、市民社会への関与と「集団としてのウェルビーイング」への関心を新たにすることを求めている。双方の報告書が入試改革を促しているが、今回の改訂版では、すべての当事者(大学、高校、保護者)が「学生たちが社会をより強固にし、分断を修復できるよう準備させる」役割に焦点を当てている。具体的には、多様性を超えた思いやり、好奇心、寛大さ、謙虚さといった道徳的・市民的な資質を養う必要性を浮き彫りにしている。
入試プロセスは、若者に聴かせ、内面化させたいメッセージを強化し高める強力な手段であり、報告書が強調するように「大学入試プロセスは、成果へのプレッシャーを軽減し、10代の若者が意味や目的を見つけるのを助ける中心的な役割を果たす」。具体的には、「非常に多くの若者が入試プロセスにおいて、たった1つの目的や情熱を言葉にしなければならないというプレッシャーを感じているが、目標とすべきは、若者が1つの目的を特定することではなく、自分が何を大切にしているか、そしてその価値観が高等教育の選択にどう結びついているかを言葉にできるようになることだ」と主張している。
著者らは、「重要なのは、10代の若者が自分の殻に閉じこもり、人生を動かし整理するためのたった1つの目的、すなわち『使命』や『天職』を掘り起こせるようになることではない」と強調する。意味や目的の探求は尊く有益なことだが、それが大学入試の必須要件のように見なされることで生じるプレッシャーは、たった1つの目的を特定できない若者に、自分は「不完全」である、あるいは志願者として魅力が足りないと感じさせてしまう可能性があると研究者らは説明している。


