AIエージェントで人間の訪問は減っても通信量は増える
ボットによる巡回が特に多い分野では、人間のアクセスが減っている。Cloudflareによると、小売り、コンピューターソフトウェア、ITサービス、金融サービスでは、1年足らずで人間によるトラフィックが最大40%減少した。
人間のアクセスが最大40%減ったというデータは、投資家がAIエージェントを既存のインターネットに対する脅威とみる理由を示している。AIエージェントが利用者に代わって情報を探し、商品を比較し、購入まで済ませれば、利用者自身がウェブサイトを訪れる回数は減る。ページビューや広告収入、コンテンツの無料公開に依存する企業には新たな逆風となる。
Cloudflareが2024年末に処理していたリクエストは、平均で毎秒6300万件だった。2026年9月時点では毎秒約1億1500万件に増え、ピーク時には1億5000万件を超える。
Cloudflareのネットワーク上のトラフィックは2年足らずでほぼ倍増したが、アクセスが特に多い分野の一部では人間による訪問が減った。
AIエージェントは、人間が直接ウェブサイトを訪れる回数を減らしても、オンライン上の活動量を増やし得る。1人の利用者が自分で作業する場合より多くの検索、比較、取引、ソフトウェア処理を、AIエージェントが代わりに実行できるためだ。
Cloudflareは、この違いを次のように表現した。
「AIエージェントに対応し、その利用を収益につなげられる企業にとって、エージェントは新たな価値を生む。対応できない企業にとっては、価値を持ち去る存在になる」。
AIエージェント向け従量課金が情報とサービスの新たな収益源に
価値の高い情報やデジタルサービスを持つ企業には、特に大きな機会がある。商品価格、金融データ、旅行関連のスケジュール、在庫情報、技術手順などはAIエージェントが作業を完了するために利用でき、リクエスト1回ごとに価格を設定できる。
Monetization Gatewayの先行利用事例は、その仕組みを具体的に示している。投資家向け交流サービスのStocktwitsは、リアルタイムの市場心理や注目度を示すシグナルをAIエージェントへ販売する。Ceramic.aiは、AIエージェントがウェブ検索を1回実行するごとに料金を請求する。
企業にとっては、広告を見ないAIエージェントからも売上を得られることになる。
Cloudflareは、この変化を支える基盤の多くを提供しようとしている。同社の製品群はAIエージェントを識別し、アクセスできる範囲を定め、自動攻撃からアプリケーションを守り、正当な利用から料金を回収する。
この変化は企業の明暗を分ける。一部のコンテンツ提供者やオンラインプラットフォームは、収益につながる貴重なアクセスを失う可能性がある。データの利用を許諾したり、AIエージェント向けサービスを販売したり、企業による自動通信への対応を支援したりすることで、新たな収益源を築く企業も出てくる。
投資家が見るべきなのは、AIエージェントが人間のトラフィックを置き換えるかどうかだけではない。より大きな機会を得るのは、価値の高い情報を新たな売上へ変えられる企業だ。AIエージェントが質問への回答や作業の完了にコンテンツを利用した際、料金を請求できるコンテンツ提供者も該当する。


