こんな生き方もある、「ロールモデル」から探る自分らしさ
谷本:発達障害がある方は、その発達特性のために社会生活で困難を来している方もいる一方で、今後、日本や世界の宝となりえるような能力がある方もいらっしゃいます。先述の通り、筧さんが代表を務めるissue + design(イシュープラスデザイン)では、『認知症世界の歩き方』のプロジェクトに続き、今度は発達障害がある方の世界を見える化するプロジェクトを始められました。
その一環である本連載では、そうした方々を「宇宙脳」と名付け、その大きな可能性を読者の方々に知っていただくために、これから筧さんと発達障害当事者の方、または自ら当事者である可能性を認識していらっしゃるゲストの方々との対談が始まります。目指すところを伺えますか。
筧:この連載では、発達障害がある人が自分らしい生き方を見つけて、さまざまなことに挑戦していけるように後押ししたいと考えています。私自身もそうでしたが、発達障害がある人は経験を重ねたり、自分なりの工夫を身につけたりすることで、苦手な部分をある程度乗り越えていくことができます。
一方で、本人だけが頑張ればいいという話ではありません。社会の側も、発達障害がある人たちを理解し、その特性を受け入れていく必要があります。そのために大切なのが、ロールモデルの存在だと思っています。発達障害があっても自分らしい人生を歩み、活躍している人たちがいる。その姿を知ることで、「こんな生き方もあるんだ」「こんなチャレンジもできるんだ」と希望をもてる人はたくさんいると思うんです。
ですからこの連載では、そうしたロールモデルになるビジネスリーダーや起業家、文化人などをたくさん紹介していきたいと思います。読者の皆さんが、自分らしい一歩を踏み出すきっかけになるような発信ができたら嬉しいですね。
谷本:そうした方々から、具体的にどんなことを聞いてみたいですか。
筧:おそらく皆さん、たくさんのご苦労を経て今があるんだと思うんです。私がまずお聞きしたいのは、「自分の特性にいつ気づいたのか」そして「その特性とどのように向き合い、生かしてきたのか」ということです。
現在、ご活躍の方たちは、決して最初から上手くいっていたわけではなく、試行錯誤をしながら自分なりのやり方を見つけてきたはずです。そのプロセスには、今まさに悩んでいる人たちにとっての大きなヒントがあると思うんですよね。自己認識を深め、自分の特性と向き合いながら、自分らしい生き方を見つけていく。その道のりをぜひ聞いてみたいですね。
発達の凸凹を可視化する「新時代のMBTI」
谷本:今回は『認知症世界の歩き方』の時にやられていたような、発達障害がある方が生きている世界、見えている景色を表現するような取り組みは、考えられているのでしょうか。
筧:はい。今回は、発達障害の特性を15項目に整理したリストと、それぞれの人が持つ強みや知的な特徴を可視化するための「8つの知能インデックス」をつくっています。
「発達障害の代表的な特性15」

「8つの知能インデックス」

筧:一般的に発達障害というと、どうしてもその人の苦手なことや困りごとに注目が集まりがちですが、実際には先ほどお話しした通り、その人ならではの強みや才能もあります。そうした凸凹をできるだけ立体的に理解してもらえる仕組みにしたいと思っています。
本連載では、ゲストに予めこれらの指標に基づく質問に回答いただき、その結果も参考にしながらトークを進めていきます。ゲストが自覚していた凸凹と、新しくこれらの指標に基づき可視化された凸凹とを照らし合わせることで、その差分も明らかになるはずです。対談では、それを深掘りしていくこともできるのではないかと考えています。


