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2026.10.13 14:30

「新時代の金融教育」投資教育の先の「新たな考え方」とは?

(写真左から)安藤聡・小川眞治・加藤寛之

今この瞬間から「自分への投資」を

加藤:金融教育とキャリア形成の関係についても聞きたいと思います。金融庁の調査では、Z世代の学生が就職先企業を選ぶ際、多くの人が「資産形成・金融リテラシー研修」を求めており、約8割の学生が、こうした研修を導入している企業の志望度は「高まる」と回答したそうですね。

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安藤:J-FLEC理事長に就任する以前はオムロンに在籍していましたが、若手社員にアンケートをとると、常に「金融リテラシー」と「DX・AI」が関心事のツートップでした。そして、社会人予備軍である学生が同じ意識をもっているのはまぎれもない事実です。一方で、それを企業経営者が十分に認識しているかというと、必ずしもそうではありません。金融リテラシー研修は、企業にとってコストではなく投資です。新卒採用だけでなく、キャリア採用でも優秀な人材を呼び込む手段となるので、どんどん実施してもらいたいと期待しています。

加藤:Point72では、金融や経済を専攻した学生だけでなく、別の分野の博士号取得者やクラシック音楽家、はたまた退役軍人などさまざまなバックグラウンドをもつ人材を採用していると聞きました。なぜこうした幅広い人材を受け入れているのですか。

小川:私が多くの成功する投資家を見てきて共通点だと思うのは、好奇心や分析的な視点をもっていることです。他業種での社会人経験や多様なバックグラウンドは、むしろ持ち味や強みにつながっていくのではないかと考えています。その人独自のディシプリン(規律)、こだわりがあるほど「差別化された人材」になっていけるのです。

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安藤:最近の学生の動向を見ていると、従来人気のあった銀行や証券会社よりも、アセットマネジメント業界を志望する人が増えているようです。AIの進化により単純なオペレーションがどんどん代替されるなか、最初から専門性で勝負できるアセマネを目指すのです。そういう人材がキャリアアップとして事業会社に入り、CFOやIRの責任者、ひいてはCEOを務めるようになれば、日本企業全体の価値創造につながっていくはずです。

加藤:たとえ入り口が異なる業界だったとしても、金融教育によってプロの投資家や経営者にだってなれる。Gyoseki Competitionの卒業生は金融業界に限らず、例えばAI開発企業に就職した人もいて、これからどんな活躍を見せてくれるのか楽しみです。

小川:若いうちに時間とエネルギーを自分自身に投資すること。知識を深め、スキルを磨き、経験を積むことが、長い目で見れば最も高いリターンをもたらします。金融の観点での投資と同じく、自己投資は若いうちに始めることで、何年もかけて積み重なり、やがて大きな差を生み出すのです。今この瞬間から「自分への投資」を意識してほしいと思います。

安藤:お金は確かに重要ですが、最も大切なわけではありません。若い世代には多くのチャンスがあります。友人との交流、旅行、趣味、資格取得など、今、自分にとって何が必要か優先順位を主体的に判断してほしい。それこそが長い人生を豊かにしていくための貴重な投資となります。

KEYWORD 3|金融庁の調査
「資産形成や金融リテラシー研修」について、企業が、こうした研修を積極的に導入している場合、志望度合いはどの程度変わるか384人の大学生に聞いたところ、「大いに高まる」が25.5%、「高まる」が53.6%だった。

KEYWORD 4|Gyoseki Competition
金融リテラシーの向上と「実践の場」の創出を目的とした大学生企業分析コンテスト。参加者は約3カ月間にわたり、現役の投資家や金融プロフェッショナルによる勉強会でスキルを磨く。その上で、自ら財務モデルを組み、独自の業績予想と企業分析をレポートにまとめ、決勝大会では第一線のプロを前に英語でプレゼンテーションを行い、自らの仮説や業績見通しについて直接フィードバックを受ける。

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文=中居広起 写真=若原瑞昌

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