重要なお知らせ 「Forbes」の名称を使用した営業活動にご注意ください

北米

2026.10.11 10:00

トランプ政権、「政府公認のデジタル海賊」を投入へ──民間によるサイバー犯罪組織への反撃を制度化

Photo by Tierney L. Cross/Getty Images

Photo by Tierney L. Cross/Getty Images

米国は、民間企業が外国の犯罪組織に対して攻撃的なサイバー作戦を実施できる仕組みを初めて導入しようとしている。米国人から数十億ドル(数千億円規模)を盗む犯罪ネットワークを追跡・妨害するため、いわば「政府公認のデジタル海賊」に当たる私掠船の制度をサイバー空間へ応用する構想だ。

編注:私掠船は、政府から私掠免許状を与えられ、戦時に敵国の船を攻撃・拿捕し、戦利品の一部を報酬として得た民間船。政府の許可なく略奪する海賊とは異なる。

米政府、「デジタル私掠船」をサイバー犯罪対策に投入へ

ドナルド・トランプ大統領は米国時間2026年8月12日、大統領覚書に署名した。米国人を狙う外国の犯罪組織に対し、審査を通過した米企業が攻撃的なサイバー作戦を実施できる制度を創設する内容だ。

覚書は「米国の民間部門は世界で最も革新的で、技術的に進んでいる」と記している。その規模、速度、能力によって、米国は攻撃的サイバー作戦で重要な優位性を得られるとしている。

米議会でも、民間のサイバー能力を政府の監督下で活用する法案が提出されている。ユタ州選出のマイク・リー上院議員は2026年7月、サイバー空間で私掠免許に相当する権限を認める上院法案を提出した。

法案は、大統領が民間事業者を「デジタル私掠船」として認可できるようにする。認可された事業者はサイバー犯罪者の活動を妨害し、盗まれたデジタル資産を回収して、回収資産の一部を連邦政府に納める。

テネシー州選出のティム・バーチェット下院議員は、下院版の下院法案9697号を提出した。リーは、この法案を「究極のホワイトハット・ハッキング」と呼んでいる。

大統領覚書と法案は、民間企業の能力を国防に活用する取り組みとして、過去数世代で最も野心的なものだ。ただし、政府が民間に攻撃権限を与えるという発想自体は新しくない。その起源は米国建国期までさかのぼる。

次ページ > サイバー空間で復活する「私掠」という建国期の制度

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事