見えないリスクを取らず、確率を味方につける
僕が株を始めた頃には、デイトレーダーはとんでもない博打打ちのように言われていましたし、今でもそう思われてますけれど、実は見えないリスクはとってないんです。デイトレは、その日のうちに必ず売るという前提で、株を持っている時間は短いし、これほどリスクを限定できるやり方はないんじゃないかと思っています。
例えば、今のキオクシアのような値動きの激しい銘柄(※26年7月取材時)を1万株取引すると、周囲には大きなリスクを取っているように見えてしまうかもしれません。ですが、僕は持ち越さず、その日のうちに売る前提で取引しています。場中で「急落したらすぐに投げる」と決めておけば、下落幅をせいぜい1000〜2000円に抑えられる。そうすれば、最大リスクは1000万〜2000万円だと計算が立つわけです。自分がどれだけのリスクを負っているのかを正確に理解できているかどうかによって、見えてくる景色は全く違います。
僕は新しい手法を思いついても、すぐに資金は入れません。まずノートの上で取引を記録していって、十分なデータが集まったら少額で実際に試す。スプレッドなど現実に起きる問題を確かめ、さらに結果を見ながら取引量を増やしていく。紙の上での模擬取引、いわゆるペーパートレードなら1円も損をしません。最近も1年3ヵ月ほどデータを取り続けて、結局諦めたものもあります。僕はそれくらい石橋を叩いて渡るタイプです。
サイコロを6回振っただけでは、どの目も1回ずつ出るわけじゃない。でも600万回振ると、それぞれの目が出る頻度は6分の1に近づいていく。オルカン(全世界株式インデックス)の平均利回りが7%といっても、それは過去数十年の平均であって、20%プラスの年もあればマイナスの年もあります。たった数十回試した(サイコロを振った)程度に過ぎず、確率を語る材料としては足りない。単にその時代が良かっただけかもしれないからです。中長期投資の過去実績から平均を導き出すのは、難しいんです。
僕はスキャルピングで毎日何百回も取引し、確率を収束させたうえで利益を出している。これは勝つべくして勝っているということなんです。この本を読んで、勝つべくして勝つのが株なのだと確信できたし、それから自信をもって投資ができるようになりました。
もちろん、誰もが僕と同じやり方をすべきだとは思いません。本が読めないという話をしましたけど、読める人は読んだ方が絶対にいいとは思うんです。要は相性。株も同じで、僕はファンダメンタルズが苦手で、テクニカル(分析)が多い。人によって合う合わないがあるので、向いている手法を見つけてそこを伸ばせばいい。


