重要なのは、AIがプロンプトを用意した人の性別ではなく、プロンプトに使用されている言葉遣いに反応しているという点だ。プロンプトに伝統的な男性の名前や女性の名前を含めても、結果にはほとんど影響しなかった。
同研究における一例として、特定の開発サーバーがセットアップされたことをチームに通知するメールの作成を求めるプロンプトが用意された。男性的な言語パターンを用いたプロンプトは「通知するためのメッセージをドラフトする方法は……(What's the way to draft a message to notify…)」で始まっていた。一方、女性特有の言葉遣いを取り入れたバージョンでは、共同体的な表現である「私たち(can we)」を用い、「どうすればメールを作成できるか(How can we compose an email…)」と問いかけていた。
それぞれのプロンプトに応じてAIが作成したメールには、顕著な違いがあった。プロンプトに「私たち(can we)」を含めて生成されたメールは「ワクワクするお知らせです!(Exciting news!)」で始まり、「開発を楽しんでください!(Happy developing!)」で結ばれていた。一方、男性的な言葉遣いに基づくメールは、シンプルに「お知らせまで……(Just wanted to let you know…)」と始まっていた。
「人々に知ってほしい重要な教訓は、AIはあなたの話し方(言葉遣い)によって異なる対応をとる可能性があるということだ」と、ヴァン・クーベリングは指摘する。
研究チームはまた、AIが単にユーザーの言葉遣いやプロンプトのスタイルを模倣しているだけなのかどうかも検証した。その結果、模倣による影響は差異の一部を説明するものの、大部分を占めるわけではないことがわかった。この研究結果は、2026年10月に開催される言語モデリングの国際会議「Conference on Language Modeling 2026(CLM 2026)」で発表予定だ。
女性はどうすべきか
研究結果は、性別を問わず、AIにビジネスにふさわしいメールや書簡を作成させる場合、ぼかし表現や付加疑問文(〜ですよね?といった確認の問いかけ)、「私たち(we)」などの共同体的な言葉、感情豊かな形容詞の使用を控えるべきであることを示している。しかし、こうした言語パターンを修正することは、特に女性にとって難しいかもしれない。
研究チームは、女性にとってこうした言葉遣いは「無意識かつ文化的に根付いたもの」であり、AIのプロンプトを作成する際に避けるのが難しいと指摘している。さらに、音声でAIを操作する機会が増えるにつれ、自分がそうしたフレーズを使っていることに気づきにくくなるため、これらのパターンを避けることはいっそう困難になる可能性がある。


