米連邦政府と議会では、AI規制を法制化する道筋がなお見えない
連邦政府がAI規制にどう取り組むかは不透明だ。ドナルド・トランプ大統領はAIへの安全対策に強く反対し、AIの危険性を巡る警告を「でっち上げ」と呼んだ。複数の報道によると、トランプ、ルイジアナ州選出で共和党のマイク・ジョンソン下院議長、AI企業幹部は9月29日に会合を開く予定だ。ただ、何を中心議題とするかは明らかになっていない。
ジョンソンは以前、トランプとAI企業のCEOに「大きな部屋へ入り、扉を閉めて、問題を解決してほしい」と述べた。9月16日には記者団に対し、企業が安全を維持する上で負う責任と、政府が果たすべき役割を慎重に議論する必要があると語った。9月29日の会合にどのAI企業幹部が出席するかも未定だ。イーロン・マスクと、米AI企業OpenAIのサム・アルトマンCEOは9月24日、ホワイトハウスで開かれた公式晩餐会に出席していた。
議会でも、AI規制法の成立を急ぐ姿勢は目立たない。ジョンソンは、AIが人類を絶滅させる可能性への懸念を「作り話」だとして退けた。サウスダコタ州選出のジョン・スーン上院共和党院内総務は以前からAI規制を求め、2023年には関連法案を提出している。最近は、緊急の優先課題として扱わない考えを示唆した。9月中旬、年末までに上院がAI法案を可決できるか記者団から問われると、「おそらく未定だ」と回答。「現在抱えている他の課題を考えると、近いうちに何かを成し遂げるのは難しい」と説明した。
スーンはAI規制法案の再提出を検討している。9月23日、米ニュースサイトのアクシオスに対し、2023年法案の再提出に向けた動きを説明した。共同提出者だったミネソタ州選出の民主党議員エイミー・クロブシャーが、民主党側の共同提出者を増やそうとしているという。2023年に提出された法案は、重大な影響を及ぼすAIシステムに認証の枠組みを設ける内容だ。
大手インターネットプラットフォームには、生成AIを使って作成したコンテンツを利用者に表示する際、その事実を通知するよう求める。重大な影響を及ぼすAIを導入する企業にはリスク評価を義務づける。AI生成コンテンツと人間が作ったコンテンツを見分けるための基準整備や、AIの安全対策に関する追加研究を政府に求める内容も盛り込まれている。
この法案や別の法案が議会を通過し、トランプが拒否権を行使せず成立に至るかは分からない。スーンは、トランプには公に示している姿勢よりもAIへの安全対策を受け入れる余地があるとみている。


