経営・戦略

2026.09.27 10:15

売り上げは引き算、利益は足し算。先読み経営で2度目の飛躍へ──ブレイクスルー企業100(第4回)トリケミカル研究所

リケミカル研究所 代表取締役社長執行役員の太附 聖

「計算で、頭の中でわかっていた」内製化

──その収益構造の原点が、2012年の当時、専務就任時に決めた外部委託から内製化への転換だと聞きました。何があったのでしょうか。

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太附:実はその時に始まった話ではないんです。トリケミカルが日本で初めて作った製品は結構多いのですが、量が増えてくると大手企業に取られていく。なぜかといえば、自分で作っていないからです。当時の半導体材料は年々単価が下がり、ボリュームで利益を取るビジネスでした。外部調達ではコスト競争力がなく、規模も小さいので付き合いきれないんです。

上場した当時の柱はたった2本で、片方は外部調達でした。半導体不況で競合がたくさん出てくると、外部調達のほうは勝てなくなった。中で作っていたもう1本は何とか耐えられた。メーカーは作らなければ駄目だ、と。

──勝算はあったのですか。

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太附:もともとありました。製造コストは原材料費、労務費、経費と、全部計算できます。作ったほうが圧倒的に安い。しかも量産効果が出て、利益も自然と増えていく。それまでは逆で、作れば作るほど利益がなくなっていった。それが逆になることは、計算で、頭の中でわかっていました。

──統合報告書では「ここで躊躇していては未来はない。結果を出すしかない」と当時を振り返っています。社内の反応はどうでしたか。

太附:もう、猛反対ですよ。それまでは設備投資をしないケミカルメーカーでしたから、製造セクションも絶対やりたくない。知識はあっても経験がない。できるかどうかわからない、本当にコストが下がるのか、と。マインドが変わらないと駄目なのですが、結果を出さないとマインドは変わりません。だから社長1年目はきつかったですね。

──単体の経常利益は、2014年1月期の約5300万円から、社長就任1年目の2015年1月期に約4億2600万円へ。翌2016年1月期には営業利益が前期の2倍強になりました。結果は早く出ています。

太附:専務だった2年間は、よく赤字にならなかったなというくらいの利益しか出ていませんでした。それが社長1年目から突然上がってきた。新しい製品なので他に作っているところがなく、自分たちがやればやった分だけ売れたんです。

柱になりそうな細かい素材はたくさんありました。これを内製化したら利益が出るでしょう、と一つずつ潰していった。リーマン・ショックでがつんと落ちた時は、柱が2本しかなかった。今はだいたい20品目で売り上げの8割以上をカバーしています。

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文=坂元耕二 写真=西川節子

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