ドナルド・トランプ大統領がCNN、MS NOW、ポリティコの3社をホワイトハウスから追放した物議を醸す措置について、連邦判事がその解除を命じた。これを受け、3社は米国時間9月24日にホワイトハウスでの取材権を回復した。
3社がホワイトハウスに復帰したものの、判事の命令後も数時間阻まれる
裁判所が前夜のうちに立ち入りを認めるよう命じていたにもかかわらず、当初シークレットサービスは数時間にわたり記者の入場を拒否していた。しかし24日午後には、MS NOWとCNNの取材班がホワイトハウスの敷地内に再び入っていく姿が確認された。
ホワイトハウスは24日午後の裁判所への提出書類の中で、これら3社の取材権を回復させ、同日米東部時間午前10時ごろに没収していた記者証を返還したと説明した。
前夜に追放解除の裁定が下されていたにもかかわらずホワイトハウスが記者の立ち入りを拒み続けたため、メディア側は24日午前に緊急審理を求める動議を提出していた。これを受け、連邦地方裁判所のティモシー・ケリー判事はトランプ政権に対し、米東部時間午後12時30分までに回答するよう命じていた。
3社は、追放状態が続いていることを判事に知らせる24日の提出書類の中で、「一刻を争う事態だ。今夜は中国の習近平国家主席がホワイトハウスを訪問する予定であり、CNNがテレビ代表取材を担当することになっている」と訴えていた。
大統領は「フェイクニュース」を理由に排除、政府は安保問題と主張
トランプは18日、「フェイクニュース」が「絶え間なく」報じられていることを理由にこの追放措置を発表した。翌19日、仕事のためにホワイトハウスを訪れた3社の記者は入場を拒否され、記者証を没収されている。各社の経営陣は、この追放措置が言論の自由を保障するアメリカ合衆国憲法修正第1条に違反するとして、この措置の一時的差し止め命令を要請していた。
この訴訟に対し政府側は、ホワイトハウスでの取材は「権利ではなく特権である」と反論した。さらに、米軍の弾薬備蓄やホワイトハウスの舞踏室地下における保安バンカー建設に関する記事などを引き合いに出し、これらの報道機関が「機密性の高い情報」を公開したとして、今回の追放は国家安全保障上の正当な措置だと主張していた。
地裁は事前通知が必要と指摘、国家安全保障が動機との記録もないと判断
しかしケリー判事は、「政府が憲法で保障された利益を奪う前に、報道機関には事前の通知と弁明の機会が与えられなければならない」と指摘した。また、トランプ政権が各社を追放した理由は「あまりにも曖昧で到底通用するものではない」とし、「原告のハードパス(訳注:恒久的な記者証)の無効化が、国家安全保障上の懸念に基づくものであったことを示唆する記録は何ひとつ存在しない」と述べられている。
さらに判事は、追放措置を覆さなければメディア側が「取り返しのつかない損害」を被る可能性が高いことを彼らは十分に証明したと認めている。ケリー判事は裁定の中で、「立証のハードルは高いが、原告はそれを満たした」と結論づけた。



