キャリア

2026.09.24 21:47

AIが変えるキャリア構造 「ピラミッド型」から「ダイヤモンド型」へ

Adobe Stock

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企業のリーダー育成において、根本的な変化が起きている。何十年もの間、組織はおなじみのピラミッド型キャリア構造で運営されてきた。すなわち、豊富なエントリーレベル(初期キャリア)の職務、それより少ないマネージャー層、および少人数のエグゼクティブチームという構成である。多くの人事(HR)リーダーや私自身が長年抱いてきた前提は、このモデルにおいて、従業員は早い段階で仕事を学び、実績、トレーニング、そして忠誠心を通じて昇進していくというものだった。

AIがその構図を揺るがしているのは驚くにあたらない。そして、その変化はすべてピラミッドの底辺から始まっている。

一方では、若手プロフェッショナルが成長するために必要な、日常的で複雑さの低い業務が自動化または再設計され、初期キャリアの職務が縮小している。他方では、もう一つの確実な入り口であった技術専門職も、AIツールの普及によって情報やスキルへのアクセスが容易になったことで、狭い専門知識の必要性が薄れ、プレッシャーにさらされている。

その結果、Seramountが「キャリアのダイヤモンド型構造」と呼ぶ状態が生じている。入り口が狭まり、中間層へのプレッシャーが強まり、シニア職は内部昇進よりも横移動や外部採用に依存せざるを得なくなっているのだ。

最高人事責任者(CHRO)にとって、キャリアのダイヤモンド型への移行は、従来のリーダーシップ育成やサクセッションプランニング(後継者育成計画)のシステムに対する本格的な見直しを迫るものである。初期キャリアの職務が消滅すると、判断力や影響力、批判的思考といった、すべての企業がマネージャーに求めるリーダーシップ能力を養うための、非公式な経験の機会も失われてしまう。

戦略の成否を握るのは中間層である

経営幹部層が方向性を定めるとしても、戦略をチームレベルのアクションに落とし込むのはマネージャーである。言い換えれば、彼らこそが実行の担い手だ。変化を導入し、プロセスを調整し、日常業務を企業の目標へと結びつけるのである。

絶え間ない変化が起きる環境において、従業員は経営陣の要求の背景にある透明性や「なぜそれを行うのか」という理由を、ますますマネージャーに求めるようになっている。

従業員の39%は「自分のマネージャーには効果的な指導を行うためのスキルが欠けている」と答えており、マネージャーの78%が仕事への熱意を失っている。また、労働者の42%が「昇進に関心がない」と回答している。さらに、自社の次世代リーダー候補に自信を持っていると答えた人事プロフェッショナルはわずか20%にすぎず、シニアリーダーの役職を内部候補者で即座に補充できる企業は半数に満たない。

これは、CHROが外部からの採用だけで解決できる問題ではない。外部採用によってポストを埋めることはできても、指導者を育てるための内部システムが再構築されるわけではないからだ。また、単にウェビナーを追加したり、新たなリーダーシップ開発グループを立ち上げたりするだけでも不十分である。

組織がこれから直面する変化に確実に適応できるようにするためには、キャリアのダイヤモンド型モデルにおいて、リーダーをどのように特定し、育成し、配置するかを根本から再考する必要がある。

新たなキャリア構造を受け入れる

この局面を乗り切るために、CHROが焦点を当てるべきシステムレベルの4つの転換を提案したい。

1. 「ポテンシャル」を再定義する

人事評価は完璧ではない。人事リーダーは、従業員の指導者としてのポテンシャルについて有意義な決定を下すための情報が不足していることを、以前から認識していた。信頼できる指標がない場合、「自分に似たタイプ」や「昔ながらの忠実な部下」といった、よくある類型(アーキタイプ)に頼ってしまいがちであり、これが誰がリーダーにふさわしいかという認識を歪め、リーダーシップ開発の選考プロセスに対する不信感を高める原因となっている。

先進的な組織との対話の中で見えてきたのは、ポテンシャルと影響力の双方から測定することで、個々の職務を超えた貢献度を捉え、マネジメントへの真の適性を証明できるということである。

2. 実際の業務環境でポテンシャルをテストする

未来のリーダーを見つけ出す信頼性の高いシステムを構築できたとしても、リーダーシップ開発プログラムが実際の業務環境下での適性をテストすることは滅多にない。AI時代に必要な変革対応力を養うために、人事リーダーは未来のリーダー候補に対し、実際に変革を推し進める経験を積む機会を与えるべきである。

たとえば、オフィス回帰に伴う摩擦やAIの導入といった現行の課題を解決するために、同僚を率いてビジネス課題に取り組む機会を従業員に与えることが考えられる。実際にそこで得られたフィードバックは、人材評価の際のエビデンスとして活用できる。

3. リーダーシップ経験へのアクセスを拡大する

育成プログラムを、狭く定義された「高ポテンシャル」な一部の従業員だけに限定し続けるべきではない。時代遅れの指標に基づいて選別を行えば、見過ごされてしまう優秀なリーダーが数多く存在するはずだ。私たちのチームは、見過ごされている才能を発掘するために、高ポテンシャルの候補者と、現時点ではポテンシャルが低いと見なされている候補者を混合したグループを構成し、リーダーシップ開発へのアクセスを広げることを提案している。

私たちの調査で明らかになったある組織では、高ポテンシャルの従業員とパフォーマンスの低い従業員を意図的に混合したリーダーシッププログラムに参加させた結果、90%の従業員に改善が見られたという。

4. マネジメントを唯一のキャリアアップの道にしない

すべての人が部下のマネジメントを望んでいるわけではなく、すべての優秀な人材がマネジメントに適しているわけでもない。技術的な卓越性とビジネスへの影響力を同等に評価するキャリア構造を構築すれば、専門的な才能を引き止めつつ、ピープルマネージャーがコーチングやメンタリングといった「彼らにしかできない業務」に専念できるようになる。

たとえば、私が協力しているある企業では、ビジネスへの影響をもたらすスキルを習得した従業員に対して昇進や昇給を行うスコアリングシステムを構築した。このプログラムにより、マネジメントを唯一のキャリアアップの道とするのではなく、個人の卓越性をインセンティブ化するプロセスが制度化された。

欠けている変数は「キャパシティ」である

どんなに優れたリーダーシップシステムであっても、マネージャーの業務負担が過大であれば機能しない。マネージャーは事務作業や日常のトラブル対応に多くの時間を費やしており、戦略的な計画や部下の育成に割く時間は極めて少ない。それにもかかわらず、過負荷に対処するためにマネージャーの職務を再定義した組織はわずか16%にとどまる。

CHROは、バーンアウト(燃え尽き症候群)を「ウェルネス(健康)」の問題ではなく、「設計」の問題として捉えるべきだ。キャパシティの制限、プロジェクトの中止トリガー、および期待値の再設定などを行うことで、チームは価値の低い業務を止め、時間を再配分できるようになる。

次の時代のワークプレイスをリードする組織は、マネージャーに終わりのない変化を吸収するよう求めるのを止め、彼らを支援し維持するためのシステムを再設計し始めるだろう。

(forbes.com 原文)

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