リーダーシップ

2026.10.18 09:15

「大胆細心な儀式」ベルナール・アルノー 贈りたくなる言葉集 vol.13

一方で、パリの凱旋門近くにあるディオールの新店舗は、不動産業者に何度も足を運んで交渉した。以前あった店舗は売り上げが下がり閉店したにもかかわらず、その場所の確保にこだわった。『ヴォーグ』の編集長アナ・ウィンターは、「彼の語彙に”ノー"という言葉はない」とまで言う。

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ライバルの動向にも目を光らせる。グッチで知られるケリングと、デザイナーのステラ・マッカートニーの長年の提携が終了すると、すぐに彼女をLVMHに引っ張ってきた。マッカートニーは環境保護主義者であり、アルノーは環境に関心はなかったのに、突然環境保護を打ち出した。彼の思考法は、多くの成功者と似ている。それは「大胆かつ勇気のいる投資をするが、根拠なき自信からではなく、日頃から細心の調査と努力を怠らない」点である。タクシー運転手の話への傾聴力から店舗の周辺にいたるまで細かく見る。耳と目を使って確言を得てから大きな賭けに出る。この行動を「儀式化」しているのだ。彼は言う。

「毎朝、私の頭にあるのは、ブランドの魅力は10年後も今と同じくらい強力であるべきだということです。そして、それが私たちの成功の鍵なのです」


Bernard Arnault(ベルナール・アルノー)◎LVMH会長兼CEO。1949年フランス・ルーベ生まれ。大学卒業後、父親が経営する建設会社に入社、25歳で社長に。84年、クリスチャン・ディオールなどの親会社ブサック倒産を受けて買収、ディオールと百貨店ボン・マルシェ以外を売却。次々とブランドを買収し、「カシミヤを着た狼」と呼ばれる。ルイ・ヴィトンを筆頭にティファニー、ブルガリ、タグ・ホイヤー、ドン・ペリニヨン、フェンディ、ロエベなど75のブランドをもつラグジュアリー帝国を築く。資産22兆円超、世界トップ10に入る富豪。

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『Forbes JAPANが選ぶ 未来をひらく言葉』(藤吉雅春編著、だいわ文庫)
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