宇宙

2026.09.25 08:15

宇宙業界に激震、ファルコン9とクルードラゴン宇宙船の「退役」と予測不能な余波

(C)NASA

ただし、これらの打ち上げ事業者にとってファルコン9の退役は、シェアを拡大するための大きなチャンスでもある。機材の量産化と、打ち上げ頻度の拡大に成功すれば、これまでの「パックス・ファルコン9」の世界を完全にリセットし、次世代を担うローンチ・プロバイダーとして確固たる地位を確立することになるだろう。

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マスクが語った「退役の理由」

9月末に予定される14回目のスターシップの打ち上げで、同機は初めて地球低軌道に投入される。(C)SpaceX
9月末に予定される14回目のスターシップの打ち上げで、同機は初めて地球低軌道に投入される。(C)SpaceX

スペースXはこの9月中にもスターシップの14回目の打ち上げを実施しようとしている。過去13回のフライトは、すべて準軌道(地球周回軌道に到達しない弾道軌道)を飛翔するものだったことから、「フライトテスト」と呼ばれてきた。しかし、この14回目の飛行からは「フライトミッション」と位置付けられている。つまり、このミッションでスターシップは初めて地球周回軌道に投入され、スターリンク衛星を地球低軌道にリリースする。これによって収益化を目的としたスターシップの実運用が開始されるわけだ。

イーロン・マスク氏は8月23日、以下のようにとXへポストした。「スターシップの信頼性が高まり、週に数回飛行できるようになれば、スペースXの希少なエンジニアリングと生産リソースをスターシップにシフトし、その打ち上げ頻度を1日に数回まで引き上げる。これは理に適ったことだ。そして、これはファルコンの段階的縮小を意味する」

スペースXが構想する軌道上AIデータセンター「スターマインド」は、10万機の「AI1」(エー・アイ・ワン)衛星によって構築される予定。(C)SpaceX
スペースXが構想する軌道上AIデータセンター「スターマインド」は、最大100万機の「AI1」(エー・アイ・ワン)衛星によって構築される予定。(C)SpaceX

スターシップへの全面的なシフトによってスペースXは、既存の機材で得られる収益よりもはるかに高いリターンを目指す。その手段となるのが新型スターリンク衛星(V3)の配備と、軌道上AIデータセンターの構築だ。スペースXの決算書を見れば、ファルコン9による商用打上よりも、スターリンクによる収益のほうがはるかに高いことがわかる。また、データセンターの世界的な需要が高まるなか、軌道上AIデータセンターを実現できる企業は、現時点ではスペースXのほかにない。

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上場を果たしたスペースXは、この2つの衛星コンステレーションによる収益を基盤として、ステークホルダーに対する責務を果たしながら、最終目的である火星への人類入植に一歩ずつ近づこうとしている。

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