キャリア

2026.09.27 16:00

漠然とした目標が現実化する、「If-then」習慣のシンプルな仕組みと使い方

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心理学者ピーター・ゴルヴィツァーらの研究では、実行意図(if-then計画)は目標達成に関して、中規模から大規模の「肯定的な影響」を与えることが明らかにされている。こうした科学的エビデンスは、「この方法は魔法のように働く」と言われるよりも意義深い。この研究は、目標の枠組みをほんの少し変えるだけで、それに続く行動が大きく改善されることを示唆している。

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ハーバード・ビジネス・スクールの研究では、「いつ、どこで、どのように行動するか」を事前に決めておくよう促すと、実際に行動を起こす可能性が大幅にアップすることが明らかになっている。行動する意思がすでにあっても、忘れたり、先延ばししたり、段取りする上で問題にぶつかったりする可能性がある場合はなおさらだ。

筆者は以前、科学誌『Scientific Reports』に掲載された研究について執筆した。この研究では、自らのウェルビーイング(持続的な幸福)の改善を目指す際の課題が、「何をすべきかを知っているか」ではなく、「実行すべき瞬間にそれを思い出すこと」と、「行動をできる限りシンプルにとどめること」にあることを示している。

この研究によると、20秒で終わるシンプルなセルフコンパッション(自分への思いやり・慈悲)の実践で得られる長期的な効果は、習慣を形成するための短いレッスンがあると大幅にアップするという。具体的には、習慣形成の戦略について教わった参加者は、実践の頻度がおよそ33%高くなった。その結果、以後6カ月にわたって、自らに思いやりを示すことが多くなり、メンタルヘルスの症状が軽減した。

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ここでのカギは、「意志の力」に頼るのではなく、行動はごく小さいものにし、それを既存のルーティンに結びつけて実践することだ。そして、時折できない日があってもそれを許すことだ。

「if-then」習慣の仕組み

キャリアの成功は、具体的な習慣によって決まる。採用される人と採用されない人を分かつキャリア習慣として最も重要なのは、粘り強さだ。「if-then」の習慣では、わかりやすいきっかけと、あらかじめ決めておいた行動を結びつける。今が行動のタイミングかどうかを繰り返し自問自答したりせず、どう行動すべきかをあらかじめ決めておくのだ。

例えば、自分の先延ばしする癖を直したいとしよう。ただし、「先延ばししない」という目標は曖昧で、実行しにくい。それよりも、「納期を絶対に変更できないプロジェクトを引き受けたら、毎日のスケジュールにその作業時間30分を組み込み、急ぎでないメールへの返信はそのあとにする」と決めておく方が確実だ。

「仕事上の人間関係を構築する」と目標を立てたら、次のように決断しよう。「金曜の午前10時になったら、以前の同僚の1人か、仕事で知り合った新しい人に連絡を取る」

集中したい時間帯にいつも会議が入ってしまうなら、次のように決めておくのはどうだろう。「議題のない会議への出席を求められたら、まずは会議の目的を尋ね、メールで済ませられないかを判断する」

この「if-then」の真価は具体性にある。気づきやすいきっかけを作っておくと、行動前の検討の必要性が減る。続けていくうちに、その流れはどんどん自動的になるだろう。

次ページ > 職場に応用できる5つの「if-then」とは?

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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