ミニットマン3はいまや、すっかり時代遅れとなっている。そのため米空軍はミサイル本体だけでなく、発射施設やミサイルサイロについても改修ではなく全廃棄する方針を決定した。
「新しいサイロを建設するという決定は、50年以上前に建設された450基の独自の構造物を掘り出して改修することに伴う予測不可能なコストや安全上のリスクを回避するものであり、より迅速に低リスクで能力を実現する道を選択した好例だ」と米空軍は発表している。
ICBMの迅速な置き換えは可能か
その後継が、米防衛大手ノースロップ・グラマンが開発するセンチネルだ。完全なる次世代ICBMで、無人拠点からの発射が可能となっている。
今月初めて垂直組み立てが行われたセンチネルには改良された誘導技術が搭載され、ミニットマンよりも長距離の標的を攻撃できる。また、技術の進歩に合わせて改修できるよう、オープンアーキテクチャを採用している。

ミニットマン・システム全体をセンチネルに置き換えるには、既存のシステムを適切な状態に維持して国防上のニーズを満たしつつ、まったく新しい地上配備型核抑止力を構築する必要がある。
しかし、計画は遅々として進んでいない。米政府監査院(GAO)はこの取り組みを「メガプロジェクト(超大型事業)」と評し、「予定より数年遅れており、予想をはるかに上回る費用がかかっている」と指摘している。
米空軍は2021年、ミニットマン3の実質的な退役は2036年になると連邦議会に報告した。
ところが、すでに限界を超えているミニットマンの運用期間はさらに長引く可能性がある。GAOは2026年2月、「センチネル計画の遅延により、空軍はミニットマン3を2050年まで運用しなければならないかもしれない。これは計画より14年も長い」と指摘した。
センチネル配備に向け準備が加速
米空軍はここ数カ月、計画を前進させるべく迅速な動きを見せている。
昨年秋には1基目のミニットマン3のサイロを閉鎖して運用を停止。地上評価試験用の3段式ミサイル第1号の組み立てにも成功した。
新しいミサイルサイロや航空団司令センターの建設も始まっている。取り組みを加速させるため、ワイオミング州のフランシス・E・ワーレン空軍基地で今年3月、センチネル担当部隊となる第10分遣隊に割り当てられる広さ約2400平米の新施設が開所式を迎えた。
さらに、核ミサイルと発射施設を警備する機体として、ベトナム戦争時代のヘリコプターを段階的に退役させ、新型多用途ヘリコプターMH-139A「グレイウルフ」の配備を進めている。
7月にはネブラスカ州で、センチネルの発射施設を支える大規模な光ファイバー網設備の着工式が行われ、建設が始まった。


