出生率1.14、少子化で進む日本の人口減少
日本の厳しい将来人口の見通しは広く知られている。1970年代半ば以降、女性1人が生涯に産む子どもの数を示す「合計特殊出生率」は、人口維持に必要な水準を下回り続けている。外国からの移住を考慮しない場合、人口維持の目安は女性1人当たり約2.1人で、これを「人口置換水準」と呼ぶ。日本では人口減少が長期化し、そのペースも速まっている。
2025年の出生数は67万1270人にとどまり、19世紀末に統計を取り始めて以来の最少となった。合計特殊出生率も1.14に低下し、世界でも最低水準となっている。
2025年の人口は約1億2300万人、2070年には8700万人の見通し
2025年10月の国勢調査では、日本の総人口は約1億2300万人で、2020年の調査から300万人以上減少した。さらに、総務省統計局による2026年夏の人口推計では、総人口が約1億2270万人となった。
将来はさらに急速な人口減少が見込まれる。将来人口を推計する国立社会保障・人口問題研究所の中位推計では、総人口は2065年に約9160万人、2070年には8700万人まで減る。2070年には65歳以上の高齢者が人口の約4割を占める見通しだ。
自衛隊の欠員は約3万人、民間企業との人材獲得競争も課題に
人口減少は、自衛隊の人員確保に直接影響している。2026年3月31日時点の自衛官の実員は21万7701人で、定員の24万7154人を2万9453人下回っていた。
自衛官の採用も低調だ。防衛省は、少子化と人口減少によって募集対象となる人が増えない状況を防衛力整備計画で明示している。働く年齢層の人口も減れば、自衛隊は民間企業と同じ人材を奪い合うことになる。採用を巡る競争はさらに厳しくなる見通しだ。
安全保障上の対応範囲が広がる日本、人員不足を補う無人化が重要に
日本が外交・安全保障上の対応範囲を広げているだけに、自衛隊の人員不足は深刻な問題だ。歴代政権は近年、周辺地域の安全保障上の課題により迅速かつ強力に対処できるよう、憲法の下で認められる自衛権の範囲について解釈を見直してきた。高市早苗首相は2025年11月7日の国会答弁で、中国が台湾を軍艦で海上封鎖し、武力行使を伴う場合には「存立危機事態」に該当する可能性があると述べた。
注:存立危機事態とは、日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態を指す。
高市は実際の認定について、発生した事態の個別具体的な状況を踏まえ、政府が保有する情報を総合して判断すると説明した。
自衛官の採用対象となる人材が減る見通しの下で、日本が周辺地域の安全保障上の脅威に対応し続けるには、限られた人員を補う技術が重要になる。防衛省が高度な防衛技術を優先する背景には、長期にわたる人口減少もある。無人化・自動化は、人口減少が続いても日本が地域の脅威に対応し続けるための解決策の一部となる。


