Grok 4.7は低価格と導入先の拡大で利用を広げる
Grok 4.7の入力料金は業界上位モデルの5分の1、出力料金は約8分の1だ。スペースXAIはモデルを2世代にわたって改良しながら、この料金を維持してきた。同社が競争の軸に選んだのは価格である。
ただし、実際の費用差は料金表ほど大きくない。第三者の評価によると、Grok 4.7は同じ処理を終えるために、GPT-6 Astraの約3倍の出力トークンを使う。Astraで約1.35ドル(約213円)かかる処理は、Grokなら約49セント(約77円)で済む。実際の費用は8分の1ではなく、およそ3分の1になる。
CursorやGitHubなどへGrok 4.7の利用先を広げる
低価格モデルで利用量を増やすには、利用者が毎回モデルを比較するのではなく、サービス側で最初から選ばれるモデルになることが重要だ。スペースXAIは自社グループに利用先を持ち、外部サービスにもGrok 4.7を広げている。
最大の利用先が、スペースXが600億ドル(約9兆4751億円)で買収したAIコーディングツールのCursorだ。買収は2026年8月14日に完了し、Grok 4.7は公開日の9月21日からCursorの全プランで利用できるようになった。買収完了から2週間後の8月28日、OpenAIはスペースXが契約条件を守るか疑問があるとして、11月12日に自社モデルをCursorから引き揚げると発表した。Cursorによると、Cursor上で使われるAIモデルのうちOpenAI製が約5%を占める。アンソロピックはClaudeの供給を続けると表明した。
スペースX傘下となったCursorでは、Grok 4.7が料金表の最安価格帯に並ぶ。11月12日にはOpenAI製モデルが引き揚げられるため、競合する選択肢が1つ減ることになる。
GitHubも9月21日、AIコーディング支援サービス「GitHub Copilot」のすべての有料プランでGrok 4.7の順次導入を始めた。料金はスペースXAIの定価と同じだ。
マイクロソフトは2026年9月、早期アクセス対象の法人顧客向けに、Word、Excel、PowerPointでGrokの提供を始めた。これらのマイクロソフト製品では、初期設定でGrokが無効になっている。Xでは、利用者がGrokを無料で利用できる。


