Waabiがこれまで走行したことのないルートでもトラックを安全に運行できるようになれば、熟知したルートで少しずつロボトラック事業を構築するオーロラのような競合他社に対して優位に立つことができる。自動運転業界のリーダーであり、数年前に自社のトラック部門を休止したウェイモでさえ、スムーズな走行を確保するために、新たな都市でロボタクシーがどう走行するかを数週間から数カ月かけてマッピングおよびシミュレーションしてから乗客を乗せている。テキサス州オースティンなどでロボタクシー事業を拡大するイーロン・マスクのテスラは、自社のAIが新しいルートに対応するにあたって高精度マッピングや大規模な事前学習を必要としないと主張しているが、問題回避のために人間の遠隔監視に大きく依存していると見られている。
AI研究者のウルタスンによって2021年に設立されたWaabiは、人間の脳と同じように不慣れな状況に容易に適応し、入手可能な情報に基づいて合理的かつ安全な判断を下すことができる「汎用AI運転システム」の開発を目標としてきた。同社はトラックメーカーのボルボと提携しており、ボルボは2027年第1四半期に自動運転専用の新型トラックにWaabiの技術を搭載する予定だ。Uber(ウーバー)の支援を受けるWaabiは今年、コースラ・ベンチャーズ、G2ベンチャー・パートナーズ、ボルボ・グループ、ポルシェなどの投資家から最大10億ドル(約1570億円)を調達している。
「現在の貨物輸送業界は非常にダイナミックに動いている。顧客のためにどこへ商品を届けるかという課題は常に変化している」とウルタスンは指摘する。「自動運転トラックがどう機能すべきかを考えた場合、そのトラックは顧客が望む場所へと向かう必要がある。システムが機能できる場所に合わせて顧客が動くべきではないのだ」


