これまで、自動運転AIは事前の入念な計画と下調べに依存する慎重な旅人のような存在だった。走行前にルートを完全に把握するため、詳細なシミュレーションや高精度マッピングを駆使して事前のルート学習を徹底的に行ってきたからだ。しかしカナダのWaabiは、同社のAI搭載トラックがそうした事前の学習を一切行うことなく、完全自動運転による高速道路の長距離走行に成功したと発表した。
トロントを拠点とし、2027年からの商用ロボトラック運行開始に向けて準備を進める同社は先週、業界のマイルストーンとなる偉業を達成した。シミュレーションでの事前テストや予行演習、新たなデータのインプットを一切行わずに、テスト用トラックが米テキサス州のダラスからサンアントニオまでの高速道路約300マイル(約483キロメートル)の自律走行に成功したのだ。これは実質的に、人間が初めて通る道を運転するのと同じことをトラックがやってのけたことになる。Waabiの創業者兼CEOであるラケル・ウルタスンがフォーブスに語ったところによると、運転席に座っていたセーフティドライバー(緊急時対応要員)は、テスト走行中に一度も運転を代わる必要がなかったという。
ウルタスンは次のように語っている。「このトラックは、これまで走ったことのない車線を、人間の介入なしに、完璧かつ安全に走行することができた。事前のデータ入力も、技術的な調整も、再学習も、何ひとつ必要とせずにやってのけたのだ」。さらに彼女は、「顧客ニーズへの対応という観点からこれが何を意味するかを考えれば、本当の意味での自動運転のスケールアップにつながる巨大なブレークスルーだと言える」と付け加えた。
汎用AI自動運転システムを用いた先週のテスト走行は、早朝から午前遅くにかけて約4時間半にわたって行われた。平均時速は約60マイル(約97キロメートル)だった。



