欧州

2026.09.23 07:00

欧州、冬を前に天然ガス備蓄量が「数十年ぶりの低水準」に

ドイツ北西部フリーデブルクの天然ガス貯蔵施設。2026年3月6日撮影(Hauke-Christian Dittrich/picture alliance via Getty Images)

英国が抱えるもう1つの問題は、天然ガスを大量に貯蔵しておらず、通常はLNGや欧州からの輸入に依存している点だ。この方針は、2024年に労働党政権が環境上の理由から北海の探査許可を保留する決定を下したことで、厳しい批判にさらされている。北海には成熟したガス田があり、ノルウェーは同海から産出された天然ガスを英国に輸出している。

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LNGの面でも、英国は厳しい現実に直面する可能性がある。地域間の価格差を利用した取引が再開されれば、同国をはじめとする欧州の輸入国が最も必要とする時期に、柔軟に配分可能な大西洋経由の貨物がアジアへと流れてしまう恐れがあるからだ。

英政府の広報担当官は詳細には触れなかったものの、幅広いエネルギー構成の一環として「供給の安定確保」に全力を尽くすと説明した。一方、ドイツ国営エネルギー企業SEFEの広報担当者は、天然ガスの貯蔵量を増やすために懸命に取り組んでいると述べた。同社は現在、同国の天然ガス備蓄量の4分の1を担っている。

ガステックで、ノルウェー石油大手エクイノールと英石油大手シェルの幹部らは、欧州の天然ガス備蓄量は11月第1週までに75%に達する見込みがあるものの、目標とする80%への到達は難しいとの見解を示した。これは、この冬が暖冬でない限り、価格上昇が避けられないことを示唆している。余剰供給量が極めて限られた市場環境下では、欧州の輸入業者がアジアの買い手と競合せざるを得なくなるためだ。

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米調査会社S&Pグローバルエナジーの分析によると、アジアの高成長市場における今年の天然ガスのスポット価格は百万英国熱量単位(BTU)当たり30ドル前後で推移しており、イラン情勢が緊迫化する以前の10ドル前後から上昇している。天然ガス業界の多くのアナリストは、寒波が襲来した場合、欧州とアジアの間で貨物の争奪戦が発生し、スポット価格は40~45ドルという高値圏まで急騰する可能性があるとみている。欧州の政策立案者にとって、これは身も凍るような見通しだと言えるだろう。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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