気候・環境

2026.09.22 16:03

スーパー汚染物質の削減:多くの経営者がまだ知らない取り組み

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私は気候分野に20年近く携わってきた。その中で最も一貫して見てきたパターンがある。最も大きな可能性を持つ気候ソリューションほど、最も注目されるものではないということだ。

スーパー汚染物質は、その好例である。

ほとんどのビジネスリーダーにこの言葉を聞いたことがあるかと尋ねれば、正直な答えはたいてい「ない」だろう。それも理解できる。「気候」という言葉は重い意味を帯びるようになり、温室効果ガス、プロトコル、市場メカニズムをめぐる略語の羅列はわかりにくい。だが、少し付き合ってほしい。

スーパー汚染物質とは正確には何か

スーパー汚染物質には、メタン、フッ素化ガス(冷媒として使われることが多い)、亜酸化窒素(N2O)などの温室効果ガスが含まれる。これらは甚大な被害をもたらしているにもかかわらず、ほとんど取り上げられていないガスである。CO2が何十年にもわたって気候をめぐる議論の中心を占めてきた一方で、これらのあまり知られていないガスは、見かけ以上にはるかに大きな影響力を持つ。

特にN2Oは、CO2より273倍強力で、大気中に100年以上とどまる。環境に加え、オゾン層を破壊し、公衆衛生にも影響を及ぼす。そして、この分野での私の経験では、ほとんどの企業がN2Oに取り組んでいない。CO2やメタンと比べても、主流の気候報道ではほとんど存在感がない。

これは未開拓の機会である。スーパー汚染物質は、気候への影響と事業のレジリエンスを改善したい企業にとって、十分に探求されていない領域なのだ。

ビジネス上の根拠は何か

サステナビリティはコストセンター、あるいは「あれば望ましいもの」として語られることが多い。だが、その見方は重要な点を見落としている。スーパー汚染物質の削減は、ビジネスにとっても有益になり得る。

企業が自社の事業活動でスーパー汚染物質を削減する場合、排出プロファイルに周辺的な改善を加えているのではない。N2OはCO2の273倍強力であるため、その削減を優先する企業は、炭素市場において最もレバレッジの高い排出の一部に対処することに貢献できる。

企業はまた、自社製品を差別化し、低炭素プレミアムを課せる可能性がある。それにより、即時のインパクトを生み出し、追加の収益源を得て、それをさらなる脱炭素化の取り組みに再投資できる。つまり、実質的な気候インパクトをもたらす投資は、事業価値の創出にもつながり得る。

短期的な気候コミットメントを掲げる企業にとって、投資判断のタイミングは極めて重要になる。そして、環境情報開示への監視が強まる中で事業を進める上場企業にとっては、その取り組みの誠実さをめぐる説明も重要になる。

市場からのシグナルはすでに出ている。今年初め、企業主導の連合体であるBeyond Allianceは、スーパー汚染物質削減を加速するための1億ドル(約157億円)規模のイニシアチブを発表し、アマゾン、グーグル、JPモルガン・チェース、セールスフォース、ワークデイなどの企業がそれぞれ、インパクトの大きいプロジェクトへの資金拠出を約束した。これは、トレンドを試す小規模なプレーヤーの動きではない。

では、企業はどこから始めればよいのか

まず、自社の事業活動とサプライチェーンを評価し、N2O、メタン、冷媒などのスーパー汚染物質の発生源を把握することから始めるべきだ。実際に調べてみると、見つかるものに驚く企業は多い。スーパー汚染物質は、産業製造、農業、輸送、日用品など、多くのリーダーが想定するよりはるかに幅広いセクターや製品カテゴリーに潜んでいる可能性がある。

そのうえで、発生源での直接削減を優先する。例えば、私の会社はある化学メーカーと提携し、任意のN2O削減プロジェクトを開発した。この施設は、自動車部品やエアバッグから繊維製品まで、さまざまな製品に使われる高性能素材であるナイロン66を生産している。それを生産する化学プロセスでは、副産物としてN2Oが発生する。熱還元装置を使用すれば、化合物を極めて高い温度にさらすことで、N2Oが大気中に放出される前に破壊できる。

これは、気候投資がどのような形を取り得るかを示す一例にすぎない。

実証済みの削減技術とボランタリー炭素市場からの資金を組み合わせることで、プロジェクトを単なるコストではなく、自立可能なものにできる。

どのような削減の道筋を選ぶにせよ、上記と同じ厳格さが重要である。継続的な排出モニタリング、第三者検証、独立した監督こそが、スーパー汚染物質プロジェクトに信頼性を与える。

リーダーが認識すべき現実的なハードルの1つは、対応能力の面である。これはまだニッチなプロジェクト類型であるため、削減技術を設計、実装、運用する技術的知見を持つ業界専門家はまだ多くない。そのギャップを埋めることを目的とした市場メカニズムに参加し、支援することは、プロジェクトへの資金提供、より強力な政策を支える実績づくり、そして経験豊富な実務家の裾野を時間をかけて広げることに役立つ。

なぜ認知はいまだ大きな課題なのか

スーパー汚染物質がそれほど有害であるなら、なぜもっと多くの企業が削減を優先しないのか。率直な答えは、認知の不足だと私は考えている。CO2は、気候をめぐる言説において何十年も先行してきた。加えて、多くのCO2プロジェクトは、化学工場の熱還元装置よりも「写真映え」するように見え得る。

しかし、より大きな盲点は、こうした投資についてリーダーがどのように考えるべきかを教えられてきたかにある。長年、炭素クレジットの購入や排出削減への資金提供は、コストのかかる「正しいこと」として位置づけられてきた。その見方は逆である。確かに、始めるには先行投資が必要だ。だが、N2Oやその他の高い温室効果を持つガスを含む排出削減は、収益やその他の事業上のメリットを生み出し得る。いまだにそれを最小化すべき費目として扱っている企業は、その価値を取り逃がしている。

サステナビリティ業界には、より広範なコミュニケーションの断絶もある。この分野で働く私たちはあまりにしばしば、展開を加速し得るビジネスリーダー、投資家、政策立案者ではなく、身内同士で会話をしてしまいがちだ。企業がなぜスーパー汚染物質に取り組むべきなのか、何を得られるのか、そして道中の課題をどう乗り越えられるのかについて、より率直で明確な対話が必要である。

実践的な行動への呼びかけ

スーパー汚染物質がいつまでも目立たない存在であり続けることはない。役立つ技術は存在し、成果を上げているプロジェクトもあり、ビジネス上の根拠も十分である。問われているのは、あなたの組織が先行者の一角に入るかどうかだけだ。

市場が追いつく前に企業がソリューションに踏み込むと何が起きるのかを、私は見てきた。そうした企業は、気候目標をより早く達成するだけではない。何が優れた取り組みなのか、その基準づくりにも貢献するのである。

forbes.com 原文

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