欧州

2026.09.22 10:30

人間1人に機械数千台──ウクライナが進める「ロボット戦争」の未来

ウクライナ東部ドネツク州ドルジュキウカで、物資を積んで道路を走行するウクライナの地上ロボット。2026年9月4日撮影(Yan Dobronosov/Global Images Ukraine via Getty Images)

現時点で、アークのUGVは数多くの任務を自律的に遂行できるものの、完全な自律運用の段階にはまだ達しておらず、どのような兵站任務も人間による監督を必要とする。タカガマによると、こうした能力を実現するにはあと6カ月から1年ほどかかるという。

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その実現にはデータ融合が必要になる。フロンティア・システムに接続された機械は、互いに通信し、動的な地図を作成していく。たとえば、ドローンがある地域の上空を飛行し、その後、UGVがその画像を利用して経路を設定するといったことが可能だ。

「当社がデータ融合を行うのは、人間にデータを提供するためだけではありません。複数の種類のシステムを自動化された連結経路で接続し、協力させるためでもあります」とタカガマは説明する。

こうした相互接続された自動化こそ、次の大きなステップだ。実現すれば、1人の操縦士が多種多様なドローンやロボットの大規模な集団を統括し、連携させながら運用することが可能になる。それには、武装したUGVをロボットボートで陸揚げする強襲上陸や、ドローンからUGVを降下させるヘリボーン襲撃といった作戦行動も含まれる。

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「イケア化」する軍用ロボット

ロボット化が高度に進んだ戦場では、低コストのロボットが求められる。タカガマの話では、彼が数年前にこの分野に参入した当時、既存の有力企業は高価格・高収益を重視する事業モデルを採用していた。だが、新たな現実に直面したウクライナで求められたのは大量生産だった。あるアナリストは、スウェーデンの家具大手IKEA(イケア)を引き合いに、ウクライナでは「軍用ロボットのイケア化」が起こっていると述べている。そこではUGVは消耗品として扱われている。

タカガマは「ウクライナはこの産業を完全にディスラプト(破壊)しました。わたしたちには、従来とは真逆のアプローチ、つまり大量投入というアプローチが必要だからです」と語る。「『量はそれ自体がひとつの質』になるのです」

ウクライナでは、UGVは高くても1台数万ドル程度だ。他方、北大西洋条約機構(NATO)諸国の軍隊はUGV1台の調達に数十万ドル支払っている。価格の手ごろさを求めるウクライナの徹底した姿勢は、ほかの軍用車両と異なり、ウクライナのUGVが一般に防護装甲を備えていない理由のひとつでもある。

「基本的な考え方は、UGVはどのみち破壊される装備だというものです」とタカガマは言う。「最善の妥協案は、最も安く簡単につくれるものでした。わたしたちは超重装甲のようなものを重視していません。なぜなら、超重装甲の車両をたくさん破壊してきたからです」

ほかの車両の場合と同様に、UGVにとって最も現実的な脅威になるのは、転用したRPG弾(対戦車擲弾)を搭載したFPVドローンだ。こうしたドローン用弾薬は、厚さ20cm以上の鋼板を貫通できるので、UGVを厚い装甲で重防護したところで意味がない。防護はむしろ、集団で行動することによってもたらされる。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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