資産運用

2026.09.21 14:54

AIは安くなっている──投資家が注目すべき「勝者」はどこにいるか

stock.adobe.com

stock.adobe.com

AIブームの大半の期間、投資家は企業が人工知能の構築にいくら費やしているかに注目してきた。しかし今、それと同じくらい重要になりつつあるものがある。AIを「使う」コストだ。

AIモデルを動かすコストは、通常トークン処理の価格で測られるが、競争の激化とともに下落し続けている。実際、新しいモデルは次々と登場し、オープンモデルは改善を続けており、企業はタスクごとにモデルを選べる選択肢が増えている。

一見すると、価格低下はAI業界にとって問題に見えるかもしれない。同じ作業のコストが下がれば、1回の利用あたりに企業が得られる収益は減少すると考えるのが自然だ。しかしその見方は、より重要になり得る要素を見落としている。技術が安くなると、通常、人々はそれをより多く使うようになるということだ。AIに関しては、その増加は非常に大きなものになり得る。

例えば、これまで一部の領域でしかAIを使っていなかった企業が、カスタマーサービス、ソフトウェア開発、データ分析、マーケティング、その他の日常業務にAIを取り入れ始める可能性がある。さらに、開発者はより多くのクエリを実行でき、AIエージェントはより多くの仕事を処理でき、従来はコストが高すぎたアプリケーションも現実的になるかもしれない。

これは、消費の増加から恩恵を受ける企業にとってチャンスをもたらす。Snowflakeはその明確な例だ。

同社のビジネスモデルは、顧客がより多くのデータを保存、処理、分析することに大きく結びついている。同社はまた、AI機能の拡充も進めている。直近の決算では、顧客の利用量が増えていることを示す材料も見られ、プロダクト売上高は37%増加し、AI導入の拡大を背景に経営陣は通期のプロダクト売上高見通しを引き上げた。

CloudflareとTwilioも恩恵を受ける可能性がある。両社の事業には従量課金型の要素があり、AIアプリケーション全体の活動が増えれば、自社サービスの追加利用につながり得る。MongoDBとElasticも同様の理由から注目に値する。

トークンコスト低下の影響は、ソフトウェアの枠を超えて広がる。

AIの利用拡大には依然としてインフラが必要だ。コスト低下によって利用量の増加ペースが、各インタラクションのコスト低下ペースを上回れば、コンピューティング能力への需要は上昇し続ける可能性がある。これもテクノロジー分野でよく見られるパターンをなぞっている。コンピューティングが安くなると、人々はそれをはるかに多く消費するようになるのが常だ。

エヌビディアは、そうした結果に向けて特に有利な位置にいる可能性がある。

同社は最近、約130億ドル(約2兆500億円)でHugging Faceの買収に合意した。これにより、オープンAIモデルの開発・共有プラットフォームとして最大級のものを支配下に置くことになる。この取引は、エヌビディアが約60億ドル(約9470億円)でPoolsideとライセンス契約を結び、さらに同社に10億ドル(約1580億円)を出資したのに続くものだ。

オープンモデルがトークン価格に圧力をかけ続けるのであれば、エヌビディアがオープンモデルのエコシステムにさらに踏み込むのは理にかなっている。理由は単純だ。エヌビディアは特定のモデル提供者が勝つ必要はない。安価なモデルによって開発者がより多くのアプリケーションを構築し、企業がより多くのAIを消費するようになれば、コンピューティング全体への需要は依然として増加し得るからだ。

一方で、価格低下は最先端モデルを構築する企業にとって、より複雑な状況を生み出す可能性がある。

OpenAIとAnthropicはモデル改良に多額の投資を行っている。オープンまたは低コストの代替モデルが改善を続け、性能差が縮まっていけば、プレミアム価格を維持することは難しくなるかもしれない。だからといって、両社が価値あるビジネスを築けないというわけではない。彼らはますますサービスやAIエコシステムの他の領域にも事業を拡大している。

それでも、知能が安価になるにつれて、経済性は変化する。

したがって投資家にとっての問いは、今日どの企業が最良のモデルを持っているかにとどまらない。それらのモデルを使うコストが下がり続けるなかで、どの企業が恩恵を受けるかも重要になる。

より安価なトークンが大幅な利用増につながるなら、AIの最大の勝者の一部は、その追加的な活動のすべてから恩恵を受ける位置にある企業になる可能性がある。

forbes.com 原文

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事