企業が取るべき対策
では、企業のリーダーはこの状況を好転させるために何ができるだろうか。
まず、企業のリーダーは将来の労働力にとっての「EVP(従業員価値提案、働く価値)」を再定義することから始められる。総じて、これからの世代の働き手が、柔軟性のない週5日のオフィス勤務を受け入れたり、経済的安定のための唯一の手段として雇用主を完全に信頼したりすることはないだろう。彼らとのつながりを再構築し、従業員を大切に思っていることを示し、組織内での長期的なキャリアビジョンを描けるようサポートできるかは、私たちにかかっている。
リーダーは、次世代の優秀な人材に対してリーダー職の魅力をどのように伝えるか、再考する必要がある。リーダーシップは、戦略的思考、心の知能指数(EQ)、レジリエンス、意思決定力を養うための最良の方法の1つだが、ただ言葉で伝えるだけでは不十分だ。多世代かつ多様な従業員によるパネルディスカッションやフォーカスグループを活用することで、組織は何が響くのか、そしてリーダーとしてのリアルな体験をどのように共有すべきかをより深く理解できる。
例えば、リーダーは、直面した課題、そこから得た教訓、その先にある報いなど、リーダー職の現実について、LinkedInやInstagram、TikTokといった外部プラットフォーム、あるいはSlackなどの社内チャネルを通じてオープンに語ることができる。こうしたリアルな体験談は、リーダーシップに対するより誠実で親しみやすいイメージを形成するのに役立ち、同時にその機会が個人の成長とプロフェッショナルとしての成長の双方にどう貢献するかを示すことができる。
さらに、リーダーは福利厚生を一律のパッケージではなく、個人に合わせた体験として捉え直すべきである。人事・労働力データ分析やAIを活用した分析、継続的な従業員の傾聴を通じて、組織は異なる従業員層が何を最も重視しているかを特定し、福利厚生の利用方法に高い柔軟性を持たせることができる。
最も革新的な企業は、家族支援、キャリア成長、ファイナンシャル・ウェルネス、柔軟な働き方、メンタルヘルスケアの支援体制など、変化する従業員のニーズに適応できる「カスタマイズ可能な福利厚生ポートフォリオ」へとシフトしている。従業員が自分にとって最も重要なサポートを選択できるようになれば、福利厚生への投資を従業員のエンゲージメント向上に直接つなげることが可能になる。


