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2026.09.20 10:30

メルク株が1年で87%上昇した理由 、決算書には表れない将来への期待

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TROP2を標的とする抗体薬物複合体(がん細胞に多く現れるたんぱく質にくっつく抗体へ抗がん剤を結びつけ、薬をがん細胞へ直接届ける仕組みの薬)のサシツズマブ・チルモテカン(sac-TMT)は、子宮内膜がんで初めて第3相試験の良好な結果を出した。がん免疫療法では、メルクとモデルナが、患者一人ひとりに合わせて作るmRNAがんワクチンのインチスメラン(intismeran、mRNA-4157)について、第3相INTerpath-001試験の良好な結果を公表した。再発リスクの高いメラノーマ(悪性黒色腫)でキイトルーダと併用したところ、無再発生存期間(手術でがんを取り除いたあと、再発しないまま過ごせる期間)が大きく延びたという。

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2028年以降を見据えたメルクの主要戦略の一つに、臨床の裏づけがついたことになる。抗TL1A抗体のツリソキバルトは、潰瘍性大腸炎で主要評価項目を達成した。すでに市場に出ている薬も動いている。肺動脈性肺高血圧症の治療薬WINREVAIRは、2026年第2四半期に為替の影響を除いて75%伸びた。

評価されているのは実績か、将来の期待値か

答えはその両方であり、しかも実績と約束の配分は動き続けている。経営陣は2026年の早い時期に、20を超える新製品から700億ドル(約10兆9900億円)超の商機が見込めると公式に表明した。その後、裏づけとなる成果が次々と出ており、いくつかは経営陣自身が示した予定より早かった。メルクは2026年通期の売上高見通しも引き上げたうえで、範囲を絞り込んだ。新しい見通しは663億〜673億ドル(約10兆400億〜約10兆600億円)で、伸び率にすると2〜4%(為替変動の影響を除くと1〜3%程度)にとどまる。直近12カ月の4.6%というペースからは、加速ではなくむしろわずかな減速を示す数字である。

明るい材料ばかりではない。経営陣は、米国でのキイトルーダの伸びが2026年後半には鈍ると見ている。主要ないくつかの適応で、使用が頭打ちに近づいているためだ。また、LIPFENDRAについては、心筋梗塞や脳卒中を実際に減らせるかどうかを示すデータがまだ出ていない。いま進行中の試験の結果が出るのは2029年である。

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結論

ここで買われているのは、成果を出し始めたパイプラインだ。ただしその値段は、事業そのものの変化よりはるかに大きく動いた。それに見合う買い物だったかどうかは、これから出てくる試験結果が決める。次の結果はすぐそこにある。HYPERION試験に基づくWINREVAIRの添付文書更新について、FDAの判断が米国時間2026年9月21日に下りる。

(forbes.com 原文)

翻訳=酒匂寛

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