また、この研究は行動変容におけるより広範な原則も示している。それは、「新しい行動を、すでにやっている行動と結びつける」ことだ。研究によると、「もし〜なら、そのとき〜する」という「if-thenプランニング」ルールを用いることで、実践を継続できる確率が3倍になる。単に「今日はどこかでセルフコンパッションをやろう」と誓うのではなく、確実に行う日常行動と結びつけることで、モチベーションに頼る必要性を減らすことができるのだ。
習慣は、ある行動を実行するために必要な意識的努力を減らす。サスマン博士は、この自動化された性質を「実践の自動性(practice automaticity)」、つまり行動がどれだけ自然に、かつ無理なく行われるようになるかという度合いとして説明している。これこそが、最初の介入から数カ月が経過しても効果が持続した理由の一つかもしれない。
「私たちはどのウェルビーイングの実践法が効果的かという問いには多くの時間を費やすが、それをどのように継続させるかという問いにはほとんど目を向けない」とサスマン博士は指摘する。さらに、必要な努力の量は驚くほど少ないと付け加える。「最初に適切な習慣の仕組みを構築しておけば、本当に1日わずか20秒から持続的な変化を生み出すことができる」
小さな行動がもたらす大きな影響
私たちは、有意義な自己変革をもたらすには劇的な決断から始めなければならないと考えがちだ。しかしサスマン博士の研究は、別の可能性を示唆している。持続的な変化は、時にわずか20秒から始まり、翌日もまたその20秒を繰り返すことで作られていくのだ。
「自身のウェルビーイングをサポートするために、わざわざ1時間を捻出する必要はないと知ることは、希望を感じさせます」とサスマン博士は筆者に語った。「それは時に、今ある20秒をより有効に活用することから始まるのです」
サスマン博士は、私たちは「要求水準が高いこと」と「有意義なこと」を混同しがちだと考えている。「今回の研究結果は、実践が驚くほど小さなものであっても真剣に取り組む価値があり得ることを示しています。特に、人々が実際にそれを継続する場合には」
鍵となるのは、生活が忙しくなったときでも実践を忘れずに行うことだ。「研究結果は、習慣そのものが多くの重要な役割を担ってくれている可能性を示唆している」と同氏は語る。「何が役立つかを知ることと、それを実際に何度も繰り返すことは別だ。繰り返し行うことで初めて、変化が積み重なり始める」。最終的な教訓は、実践を小さくし、戻りやすくし、反復がその力を発揮する機会を与えることだと、サスマン博士は締めくくった。


