消費者は商品購入より前の段階でAI利用を広げている
クマールは「2026年初めからAI利用が増えていることは、事例ベースではっきり見えている」と語る。消費者調査でも、AI利用に関する数値は月を追うごとに上がっているという。「米国時間2026年9月10日時点では、Geminiのような最先端のAIモデルを使って、商品購入そのものが大規模に行われているわけではない。消費者は商品探しや比較、予算管理、やることの整理に使っている」。
商品比較や返品・配送案内には、小売業者から正確なデータを渡す必要がある
AIを使った商品探しや比較の精度を高めるには、小売業者側から正確なデータを提供する必要がある。クマールは「AIモデルに正しい情報を渡さなければ、消費者が商品を比較したいときに正しい回答を出せない」と述べる。返品手続きの状況や注文品の配送状況を尋ねた場合も同じだ。「消費者が調べ物に使うAIサービスへ、必要なデータを届けなければならない」。
価格を気にする消費者には、AIが予算に合う商品を探す手段になる
ウォーターズは、2026年の年末商戦で値引きやキャンペーンをどのような間隔で打ち出すかにも注目している。「2026年までの数年間は、関税をめぐってジェットコースターのような状態が続いた。顧客はいつでも価格を最も気にしている」と語る。
贈る相手の年齢や予算をAIに伝え、条件に合う商品を探せる
AIは、予算を意識した買い物でも使える。消費者はAIエージェントに、誰への贈り物か、相手の年齢、予算を伝えられる。AIエージェントを、特定のブランドに偏らない買い物相談役として使えるということだ。ただしウォーターズは、AIを導入すること自体を目的に、買い物体験へ機能を追加すべきではないとみている。
消費者が拒むのはAIではなく、問題を解決できない買い物体験だ
ウォーターズによると、消費者が拒んでいるのはAIそのものより、AIを使っているのに質が低い買い物体験だ。顧客は、買い物体験の裏側でAIが使われているかどうか自体をあまり気にしない。AIチャットボットが行き詰まったり、質問を理解できなかったりすると問題になる。問題を解決するどころか、顧客に余計な手間をかけさせるためだ。
ChatGPTなどの利用が増えるほど、小売業者にも一貫した顧客理解が求められる
消費者は、店舗、EC、AIなど利用する接点が変わっても、買い物体験がつながっていることを期待するようになる。ウォーターズは、小売業者に求められる一貫性の水準も高まっていくとみる。
「ChatGPT、Gemini、Claudeを使うほど、各サービスは利用者のことを深く理解する。小売業者に求められる水準も上がる。商品情報をAIに見つけてもらうだけでなく、内容まで正しく理解してもらう必要がある。2026年の年末商戦は小売業者にとって大きな学習期間になる。2026年の年末商戦では大きな変化が起きている」。


