一見すると、ノンアルコールビール、ワイン、スピリッツの販売急増は、従来型のアルコール企業にとって大きな警告サインに見える。2025年、米国のノンアルコールビール販売量は15%増加した一方、アルコール入りビールは6%減少した。
だが、Southern Glazer'sは少し異なる機会を見ている。
同社は、ノンアルコール、低アルコール、機能性飲料が、従来のアルコールを単純に置き換えるのではなく、ますます補完する存在になっていると主張する。
夕食時にカクテルを注文し、その後ノンアルコールビールに切り替え、場合によっては後でまたアルコール飲料を飲む人を想像してみるといい。あるいは、土曜日には飲酒し、日曜日はアルコールなしで過ごす人だ。
今年のNIQ(ニールセンIQ)の調査も、そうしたクロスオーバー(交互飲用)の動きを裏付けている。スピリッツ飲用者の72%が「ノンアルコールスピリッツを注文することに抵抗がない」と答え、ノンアルコールカクテルを試したことがある消費者の51%が「また飲みたい」と回答した。
アルコール企業にとって節度ある飲酒は、顧客の喪失ではなく、新たな飲用機会の獲得を意味し始めている。
アルコール業界は死んでいない。より複雑になっている
もちろん、これらによって業界の問題が消えるわけではない。
世界最大のアルコール飲料市場で年間販売量が5%減少したことは重大だ。米国の飲酒率が、Gallupが1939年にこの質問を始めて以来、最低水準にあることも同様である。
しかし、「米国人の飲酒量が減っている」ことと、「米国人がもうアルコールを求めていない」ことは同じ話ではない。
むしろ飲酒者は、カテゴリー、価格帯、飲む場面の間を行き来している。
小さなボトルを求めるかもしれない。より良いボトルを求めるかもしれない。ビーチで缶入りカクテルを飲み、夕食では上質なテキーラを楽しみ、水曜日にはノンアルコールビールを選ぶかもしれない。あるいは、単に5年前より飲む杯数を減らしているだけかもしれない。
「これほど急速に変化する市場では、成長がどこで起きているのかを理解することが極めて重要だ」と、Southern Glazer’sでコマーシャル・セールス担当プレジデントを務めるマーク・チャプリン(Mark Chaplin)は述べる。「当社の規模とカテゴリー横断的な視点は、消費者行動がどのように進化しているのか、そしてその変化が当社のサプライヤーや顧客に何を意味するのかについて、独自の見方をもたらしている。当社が年2回発表する市場調査レポート『Raise the Bar(レイズ・ザ・バー)』は、そうした洞察を、パートナーがより賢明な意思決定を行い、成長を促進するための実行可能な機会に変える取り組みだ」
何十年にもわたって、より多くの酒を売ることに注力してきた業界にとって、これこそが最大の変化なのかもしれない。
アルコールビジネスの次の段階は、人々にもっと飲ませることよりも、人々が飲むと決めたときに、彼らが求める一杯を確実に用意しておくことに重点が移る可能性がある。


