習慣3:わずかなお金を誰かのために使う
自分のためにお金を使うよりも、他人のために使う方が気分が良くなる。学術誌『Current Directions in Psychological Science』に2022年に掲載されたレビューでは、この問題について事前登録された全ての実験を検証し、大規模なサンプルでこの効果は確かだと結論づけた。この効果はごく少額でも現れるようで、友人にコーヒーを1杯おごるだけでもいい。
同レビューではこの効果が現れるかどうかを左右する2つのポイントも示されている。1つ目は、誰かに期待されたからではなく、自分の意思で与えた場合のほうが効果が大きいということだ。これは義務的な贈り物が往々にして空虚に感じられる理由でもある。
2つ目は、自分が与えるお金によってどんな違いが生まれたのかを実際に目にできると、気分がはるかに良くなるということだ。何らかの仕組みを通じて匿名でお金を送るよりも、相手が喜ぶものや相手の暮らしに役立つものを手渡し、その人の表情を見る方が大きな効果がある。
習慣4:スマートフォンなしで目的地もなく散歩する
注意回復理論はある種の消耗について説明している。端末や締め切りが要求する努力を伴う集中力は、使うほど消耗し、回復するには時間がかかるリソースのようなものだ。自然環境にはその集中力を回復させる効果があると考えられている。自然は注意を穏やかに引きつけ、注意を完全に奪うことなく思考を自由に漂わせることができるからだ。
身を置く場所が壮大なところである必要もない。街中にある公園でもいいし、木々が立ち並ぶ何の変哲もない住宅街の道でもいい。ただし、ポケットに端末をしのばせないようにする必要がある。端末をちらりと見るたびに、散歩で休めるはずだった集中力を再び働かせることになるからだ。
習慣5:自分の感情をいつもより正確に言葉にする
感情の粒度とは、人が似たような感情状態をどれほど細かく区別できるかを表す言葉だ。たとえば、「がっかりする」ことと「意気消沈する」こと、「不安」と「恐れ」の区別などだ。こうした違いを明確に区別できる人は感情を効果的に調整し、プレッシャー下でもうまく対処する傾向がある。
これは語彙力を鍛える練習のように聞こえるが、実際には画面の「解像度」のような働きをする。漠然とした不快感を抱いているだけではその状態にどう対処すればよいのかわからず、その感情は留まり、広がっていきやすい。
例えば、その不快感は「仕事の不公平な分担に対する憤り」だと言葉にすれば、具体的な問題が見えてくる。そして、その具体性こそが感情を何となく抱いているものではなく実際に行動を起こせるものにする。
学術誌『Affective Science』に2023年に掲載された研究では、感情の粒度がきめ細かい人は日々の過ごし方も多様である傾向がわかった。これは、より繊細な感情の区別が幅広い経験から築き上げられるという考えとも一致する。


