企業データで専用AIを訓練し、導入から運用まで一括提供
Applied Computeは大企業と協力し、AlibabaのQwenやMoonshotのKimiなどのオープンウェイトモデルを基に、特定用途向けのAIモデルやエージェントを開発する。OpenAIやアンソロピックのモデルに依存するより、費用を抑えられる選択肢だ。
モデルの微調整には「強化学習」を使う。課題をうまく実行したモデルに報酬を与えてフィードバックし、より多くの報酬を得られる方向へモデルの振る舞いを調整する手法である。
AC2なら顧客自身がモデルを訓練し、コンサル費用を抑えられる
Applied Computeは技術者を企業顧客へ派遣し、顧客が持つ社内データでモデルを訓練する。訓練後は自社サーバーへ展開して稼働させ、独自AIエージェントの訓練、展開、運用までを一括して提供する。
2026年8月25日には、顧客がApplied Computeの社内用モデル訓練ツールを直接利用できるプラットフォーム「AC2」を公開した。同社の技術者が深く関与するコンサルティングサービスより、費用を抑えられる選択肢となる。
オープンウェイトモデルは企業のAI費用をどこまで下げられるか
企業ではAI関連費用が膨らみ、コスト削減の手段としてオープンウェイトモデルの人気が高まっている。アンソロピックのFableやOpenAIのSolといった最先端の非公開モデルは非常に高性能だが、100万トークン当たりの費用が一部のオープンウェイトモデルの約40倍に達する場合がある。パティルによると、Applied Computeのモデルでは最先端モデルより10分の1の費用になる例もある。
オープンウェイトモデル自体の性能も向上しており、企業で比較的単純な業務を処理する用途では、最先端の非公開モデルを代替できる場面が増えている。
「オープンウェイトモデルは重要な役割を果たすと常に信じていた」とギルは語る。創業者3人は全員25歳以下で、OpenAIで同種の問題に取り組んだ経験を持つ。ギルは、こうした経歴から3人をオープンウェイトモデルの最適化に取り組む魅力的なチームだと評価した。「彼らはOpenAIでこうした問題に取り組んでいた元研究チームであり、本当に最先端にいる」。
DoorDashやエヌビディアはApplied Computeを何に使っているのか
DoorDashはApplied Computeと協力し、配達サービスへ加盟するレストランが登録時にメニューを正確に生成できるモデルを構築した。エヌビディアは、複雑なAIエージェントの構築に使うオープンウェイトモデル「Nemotron」の追加訓練でApplied Computeを利用した。
Harveyは法律文書を処理するAIエージェントを2カ月未満で構築
法律AI新興企業Harveyは、大量の訴訟文書を精査したり、デューデリジェンスで契約書を確認したりするAIエージェントをApplied Computeと開発した。
Harveyの応用研究責任者ニコ・グルーペンによると、開発に要した期間は2カ月未満だった。従来なら数カ月から数年かかり、追加訓練を担当する研究者やスーパーコンピューター基盤の技術者、膨大な計算資源も必要だったという。「桁違いの差だ」。


