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2026.09.03 16:00

認知症リスクを下げる効果も、将来の脳を守る意外な趣味は「ペアダンス」

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ここでは失敗のあり方も異なる。パズルでは間違いを直すまでゲームは止まる。ダンスフロアでは曲が流れ続けるため、ターンを見逃してしまった場合は他の全てがそのまま続く中で1、2秒以内にそれに気づき、修正しなければならない。これはどんなワークシートでも再現できない実行機能への負荷だ。

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本人が求めているかいないかにかかわらず、社会的な交流も自然についてくる。学術誌『Alzheimer's & Dementia』に2023年に掲載された、13件の長期的な加齢研究のデータを統合した研究では、家族や友人、地域のグループなどと定期的に対面で交流することが認知機能低下のリスクを下げることにつながることがわかった。頭脳を明晰にするために選ばれる趣味の多くはひそかにこの要素を排除している。

ペアダンスが「知能を高める」仕組み

スウィングダンスを始めたからといって、IQのスコアが上がるわけではない。測定される成人の知能はかなり安定しており、特定の数値の向上をうたうような約束には疑いの目を向けるべきだ。

正確に言えば、その効果はもっと限定的なものだ。余暇活動と加齢に伴う認知機能を調べた長期研究では、晩年におけるより良好な認知機能や、認知症リスクの低下と特に関連する活動の1つとして、ダンスが繰り返し挙げられている。学術誌『BMC Geriatrics』に2023年に掲載されたメタ分析では、軽度の認知障害のある高齢者を対象としたダンスプログラムでは実行機能や記憶、気分に一定の改善が見られたが、情報処理速度に対する効果についてはそれほど一貫した結果は得られなかった。

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これを理解するうえで役立つ枠組みが、この分野を代表する研究グループの1つが学術誌『Neurobiology of Aging』に2023年に発表した論文で示した「認知予備能」という考え方だ。長年にわたって複雑な知的・社会的活動に取り組むことで一種の余力が蓄えられ、基礎的な生物学的状態が変化しても良好な機能を維持できるという考え方だ。認知予備能とは今月のパフォーマンスが優れているということではない。将来、どれだけ能力が残っているかということだ。

もちろん、他にも影響を及ぼす明確な要因があることも指摘しておくべきだろう。より健康で、身体を動かすことができ、社会的なつながりがある人はそもそもダンスを始める可能性が高い。そのため、こうした相関関係の一部はダンスそのものの効果ではなく、自己選択によるものだ。ただし、それぞれのメカニズムについては十分な裏付けがあり、しかもその費用は週に1回コーヒーを飲む程度の出費で済む。

下手でも効果あり

ペアダンスをやりたくないという人のほとんどは、このエクササイズそのものを嫌がっているわけではない。消極的なのは最初の1カ月だ。その間は、見知らぬ人の手を片方握りながら人前で明らかに見苦しい姿をさらすことになる。

その居心地の悪さは、効果を得るまでの過程で最小限にすべきものではない。変化を生み出す学習とは、脳が頻繁に間違い、そのたびに修正を迫られるような学習だ。多くの大人が日常的に行っている快適にこなせる練習は、基本的にすでに持っている能力を維持するだけだ。この気まずい段階をスキップできる方法はなく、それを魅力的でないと感じるのはまったく自然な反応だ。

だが、こうしたことから問うべき有益な質問が変わる。「何をすれば頭脳が明晰になるか」ではなく、「1年にわたって毎週人前で下手なままでもやってみようと思えることは何か」だ。脳の真に未知の問題を処理する部分はテストされることではなく使われることに反応する。あらゆることを上手にこなせる状態を保ちながら、その部分を使うのは難しい。

(forbes.com 原文)

翻訳=溝口慈子

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