世界じゅうから毎年150点のデザイン応募が
各部屋はそれ自体が芸術品ですが、デザインするのはグラフィックデザイナーからエンジニアリング系のデザイナーなどのアーチストたち。世界じゅうから毎年150点ものデザインの応募がありますが、採用されるのは15点ほどです。採用されたデザイナーは11月になるとユッカスヤルヴィに集まり、ホテルという巨大な氷のアートの製作が始まります。
Photo: （ともに）Martin Smedsén、左:Design: Tjåsa Gusfors、右:社長のYngve Bergqvist氏 https://www.icehotel.com/
宿泊だけでなく、見学のみも可能で、アイスホテルの中にはアイスバーもあり、氷のグラスでアブソルート・ウォッカベースのカクテルなどをいただけます。
氷のチャペルもあり、毎年80組ほどがここで永遠の愛を誓います。
実は私は新卒の頃、アイスホテルの日本総代理店をしている旅行会社で働いており、日々スイートルームの予約や、アイスチャペルでのウェディングを手配をしていました。当時は社長のイングヴェさんとも何度もお会いする機会に恵まれました。
その頃は夏場はすべて溶けてしまってホテルはなかったのですが、現在では1年を通して一部が保存されており、夏場でも見学・宿泊が可能です。
2025年6月に訪れた動画がありますので、よかったらご覧ください。実際に訪れると息をのむほど美しい空間で、他では味わえない色や空気を感じられます。
久山葉子（くやま・ようこ）◎スウェーデン語文学翻訳者、エッセイスト。 高校時代に1年間AFSでスウェーデンに留学。東京のスウェーデン大使館商務部勤務を経て、2010年に日本人家族3人でスウェーデンに移住。現地の高校で日本語を12年間教えた。著書に『スウェーデンの保育園に待機児童はいない』、訳書は『スマホ脳』『多動脳』『サルと哲学者』『メンタル脳』『最適脳』『にゃんこパワー』など多数、共著に『スウェーデン流 夢を描ける子どもの脳の育て方』など 。また、スウェーデンの高校で11年日本語を教えながら、ストックホルム大学ですでに教師として勤務している人向けの教職取得コースに通った。
