欧州

2025.05.03 09:00

現在のペースならウクライナ全土占領は230年後、ロシアの軍資金と戦意はいつまで持つか

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綱渡りの行方

では、こうした金とムードは持続可能なのかというのは、まだ答えの定まっていない問いだ。カボリは「全体としてロシアの国防予算は歳出全体の40%を占めることになり、これは冷戦以来最高の水準だ」と述べている。米国でさえ、連邦予算に占める国防費の割合は13%にとどまる。

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巨額の国防支出は、ロシア軍の損耗人数が今年、累計で80万人を超えるなかでも、この戦争に対するロシア国民の態度を好意的にさせることにつながっている。「国防支出による直接の結果として、ロシアの産業基盤への投資は国内の失業率を2.4%まで低下させた」とカボリは言及している。「ロシア経済は戦時体制にあり、しばらくこの体制が続くことになるだろう」

しかし、戦時体制は常に非常に効率的に動くとは限らない。石油価格の下落や、ウクライナのドローン(無人機)による攻撃の被害でエネルギー輸出が圧迫されるなか、ロシアの今年の国内総生産(GDP)成長率は昨年の半分以下に減速する見通しとなっている。それでも、ロシアのアントン・シルアノフ財務相は高水準の軍事支出を維持する方針を示している。

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戦時下の支出拡大を続けていくために、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は今年から個人所得税や法人税を引き上げた。米首都ワシントンにあるシンクタンク、欧州政策分析センター(CEPA)のアナリスト、アレクザンダー・コリアンダーは「ロシア指導部は、ロシア国民の税負担を増やす用意があるだけでなく、経済発展の優先順位も変更している」と解説している。そこで最上位に位置づけられているのが軍需産業なのは明らかだ。

ウクライナで大きなものを失いながら得たものは少なく、損害のかさむ戦争努力を巨額の財政支出を通じて継続しようとしているロシア指導部は、経済的にも政治的にも綱渡りをしている。

ただ、その危険はロシア指導部を思いとどまらせてはいない。カボリによれば、プーチンとその閣僚、将軍たちは長期戦を覚悟している。その戦争はウクライナを越えて拡大するおそれもある。

カボリはこう警告する。「ロシアの政権は、西側との長期的な対立と呼ぶものに持ちこたえていけるように、軍事、経済、社会の構造を作り変えてきた。予見しうる将来にわたって我々と対決していくというロシアの意志を示す、制度的な変化である」

(forbes.com 原文)

翻訳・編集=江戸伸禎

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